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「万人受け」はこだわりを貫くからこそ

万人受けする、という言葉がある。goo辞書で「万人受け」という言葉を調べてみると、『だれからも好評を得られること。広く人気があること。』というふうに書かれている。

万人受けという言葉は、一般的に『自分のこだわりがある』ことと対極の概念であると捉えられているように思う。そしてこの2つは、どちらか両極に振れやすい概念というか、バランスを取るのが難しいもののような気がしている。

少なくとも私は、この2つのバランスが取れていない。たぶん世間でも、「万人受け」した方がよいという風潮があるのと同時に、「万人受けしないこと(自分を貫くこと)」への憧れが存在している気がするので、大体の人にとって難しいと感じることなのではないだろうか。

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万人受けすることがいい・悪いというのは抜きにして、私個人の場合で「万人受け」という概念を考えてみたのだが、自分ではどちらかと言えば万人受けしない人間だと思っていた。何故かというと、興味のあることや好きなものがわりとマニアックなほうなので、広く人気があるジャンルよりは、コアな話題を好む傾向があるからだ。

例えば、週刊少年ジャンプの「ワンピース」より、モーニングの「ジパング」を選ぶような感じ(ジパングは人気がある作品なので当てはまらないかもしれない)。みんなが「きのこの山・たけのこの里」で論争を繰り広げる中、ひとり「きこりの切り株(もしくはエブリバーガー)」を選ぶような・・・。

上記に関してはまずメーカーが違うし、エブリバーガーに至っては自然物ですらない。こんな風に、別にひねくれているわけではないのだけれど、「えっ、そこ??」と言われてしまうようなものをつい選んでしまう。

そして、内面だけでなく外見的にも、100人中100人が美形だと評するような顔でもないので、そういった意味でも広くウケる要素は皆無である。

このように、自分では万人受けしないというふうに認識している私だが、現実世界では「嫌われる」ことは少ない(この認識は主観でしかないけれど)。周囲の人と争うこともほとんどないし、むしろ好意的に受け入れてもらえることのほうが多い上に、相手の方から話しかけてくれたりもする。なので、こう見えて(?)人見知りの私は周囲の人たちに感謝しきりだ。

ん?ちょっと待った。ウケる要素のない自分が、嫌われもせず、逆に受け入れられているのはなんでだろう。

もしかして、この「嫌われることが少なく、大部分の人に好意的に受け入れられる」状態も、広い意味で万人受けというんじゃないだろうか。えええ、「万人受け」って、もっと劇的で体感とか実感とかもすごくて、雲の上の人しか到達できない境地じゃないの??

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実際、どうなのだろう。辞書には『だれからも好かれる』と書かれているけれど、100%の人に好かれることなんて有り得るんだろうか。どんなに素晴らしい人だって、100%の人に好かれているかと言えば違うだろう。

私は、人それぞれ「意見の違い」や「考え方の違い」があることは当然だし、違っていいと思っている。どうしても受け入れられない考えがある時は、否定せず、かつ無理に受け入れようとしない。心の中で『あなたはそう思うんだね。私はこう思う』、と唱えて止めておく。

でも思い返してみると、移住してくる前までは、嫌ったり嫌われたりして散々悩んでいた。その頃は、今よりずっと完璧主義で、潔癖で、自分も他人も許す余裕がなかった。若さというより、ただ単純に精神的に幼すぎるというか、子供だったのかもしれない。

じゃあ今は大人なのか?というと、以前より感情表現などは子どもっぽくなったと自認している。よくなるどころか、かえって悪くなっている可能性もある。

逆に、以前と比べて意識的に改善したところは、自分も相手もなるべく否定せずに受け止めるようにしたことと、自分の意見を言うようにしたところ、あと自分が無理をしないといられない人との付き合いをなるべく減らしたところくらいだ。

と、いうことは・・・。周囲の人に対して敬意を払い、尊重することを前提に、自分を偽らずに素直に表現することで、結果的に自分に合う人たちが周囲に集まるようになった。その結果、(規模の大小に関わらず)自分も相手も無理なく万人受けしてしまう(?)環境を作り出せたのかもしれない。

万人受けするためには両立不可能だと思えた「自分のこだわりを貫くこと」も、万人受けしたいフィールドをあらかじめ絞ることで実現できるんじゃないだろうか。えっ、でもこれ、皆さんにとってはすでに当たり前なのかなぁ。私にとっては、わりと目からウロコ!という感じの結論だったんだけれど。

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以前の私は、自分が好かれたい人というのがどういう相手なのか分かっていなかったせいで、「誰でもいい」という投げやりさを含んだ「万人受け」を求めていたのかもしれない。

でも、そのマインドセットでは、自分が本当にやりたいことや表現したいことに絞れず、結果的に『自他ともに許せない!』みたいな、ぎすぎすした交流しかできなかったようにも思える。だって本当はエブリバーガーが好きなのに、好かれたい(嫌われるのが怖い)がために「きのこの山が好きです」と言わざるを得ない状況に自分を追い込むなんて、あまのじゃくもいいところだ。

自分の本音を話せば、「類は友を呼ぶ」で、同じものが好きな人が集まってくれる。そういう風に、自分が心地良いフィールドで万人受けするのが一番いいよなぁ。

今日の結論は、自他を受け入れ、敬意を払い、自分が誰に好かれたいかを明確にした上で自分のこだわりを貫くことこそ、「万人受け」する近道なんじゃないか?ということ。前提が長すぎるし、ちょっとこじつけっぽくなってしまった感じもしますが・・・みなさんはどう思いますか?

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