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自衛隊と国防について考えた。

自衛隊と日本の国防について、今考えていることを書きます。

学生の頃は、なんとなく自衛隊って怖いなと思っていた。
出かけた先の田舎の駅で、自衛隊の集団と一緒になったことがあるからかもしれない。体格のいい人たちが団体さんでいると、正直怖い。もちろん格闘体育会系の集団でも、怖いと思ったろうけど。

さらに学校で憲法9条について学んだ時も、これはどうあがいたって言い逃れできないでしょ、屁理屈でしょ、政治の世界って強引すぎないか? とも思った。戦力の概念とはいかに。

そんな、自衛隊とは距離を置いていた20代だったけれど。
年齢を重ねるうちに、知り合いの家族……くらいの距離感のところに、自衛官の姿がぽつぽつ垣間見られるようになって。
一昨年も同僚の息子さんが入隊して、一気に身近な存在に迫ってきた。
絶対、死なせたくないじゃん。

近年の災害では、自衛隊の方々が被災者救助や復旧支援に大活躍して下さっている。ありがたい。自衛隊の存在は、憲法的にはかなりグレーだと思っていたけど、災害救助支援に特化した部隊として法整備する方向でいいんじゃないかと思う。
あと国防。専守防衛の国防って、どういうもんだろ。国境警備は海上保安庁の管轄だろうし。てか、ここの組織を分ける意味とは、これいかに。

私は今の軍拡化って反対で、要するに高い金出してガラクタ買って、寝た子を起こすのは愚策だと思っている。
迎撃システムだって、もう世界の主流はAI追撃ロボットだし。旧型の在庫処分品をつかまされた感はぬぐいえない。
敵基地攻撃能力なんて、専守防衛を逸脱した、まさに寝た子をたたき起こしに行って返り討ちに合うのが見え見えの愚策。
戦前、日本は恐ロ病にかかっていたけど、今も恐ロ・恐中・恐朝病にかかっていやしない? その病は判断を狂わせて破滅に至ったんだよ。

戦後70年以上、日本が攻められずにきているのには、理由がいろいろあると思う。
一つは、憲法9条の存在。あれで、絶対他国に攻め込みませんと宣言していることが、効いてる。
日本が近隣の核保有国を恐れるように、向こうもこちらを恐れている。
こちらが「侵略しません宣言」をしてるのって、米ソの軍拡競争を終了させた、ゴルバチョフの「もうやめましょう」と同様の効果を出していると思う。

二つ目は、日本の経済力が、20年くらい前まで周辺国よりずっと上だったこと。普通の指導者なら、自国より経済力が上の国家に戦争をしかけようとは思わない。(経済力が上のアメリカに宣戦布告した大日本帝国の末路は、日本国民全員が知っているはず)
だから国防を考えるなら、経済力を上げるのも一手。

三つ目は、貿易関係のつながり。軍事行動をおこすより、貿易で利益を上げる方が有益だから。
それに日本の食料自給率が低いのも、原料や部品や精密機器を輸入に頼っているのも、全部バレバレだから。戦争状態に突入して輸入が止まったら、困るのは日本。補給が絶たれる状態になるのだから。
それがわかっている日本の指導者は、絶対に開戦をしないだろう、という共通認識。
奇しくも食料自給率の低さが、侵略しませんというコミットメントになっている。普通の指導者は、国民が餓死する前提で戦争はしない。国民が食べ物を求めて反政権に回ったら、指導者の地位は保てないから。

と同時に、日本を本当に制圧しようと思ったら、別にわざわざ軍事行動をおこさなくても、貿易船を止めるたけで日本は音を上げるとわかってる。
海峡を封鎖するとか。他国と協力して経済制裁をやるとか。
それで日本がキレたら、初めてドカン! だな。
しかも軍事行動を先に起こしたのが日本であれば、防衛権という大義名分を相手国は手に入れることができる。

そして、経済力も落ち、円の信用も落ち、対外戦争の経験も国家としてほぼない日本。
何しろ白村江の戦いと、元寇と、秀吉の朝鮮出兵と、日清・日露戦争、日中戦争・太平洋戦争だけという、世界でもまれにみる対外戦争経験の少ない国。
環境も常識も違う他国と戦争するとはどういうことか、経験豊富な諸外国が当然知っていることを、日本は知らない。
私も、知らない。

政府は軍備増強して、日本も戦争のできる国にしようとしている。
私は上記の理由から、それはすべきでないと考えている。

開戦すれば、遅かれ早かれ物資が枯渇して、我々は餓死する。
近代戦は総力戦だから、戦争は自衛隊がしてくれるもの……なんてわけない。
個人の自由も権利もすべて制限され、外国人と障碍者と高齢者は排斥され、それ以外の民衆は国家に搾取され続け、戦争犯罪に加担し続ける。
結果負ければ、こんなに歴史の教訓から学習しない民族は、周辺国からすれば脅威でしかないから、民族浄化の対象となっていくだろう。
食料も武器もなくなれば、万に一つも勝利はない。

だから、高額な武器を購入し続けるより、「日本は周辺国を攻撃しません」コミットメントを出し続ける方が、現実的な路線だと考える。
日本が脅威とならなければ、どの国もあえて日本とことを構えることはしない。一方的に開戦することのリスクを、どの国もわかっているから。
二正面作戦は、どの国もやりたくないわな。

なんて書いても、甘い! 夢見てるだけ! と思う人はいるだろう。
習近平氏も金正恩氏もそこまで馬鹿とは思えないけどな。
プーチン氏は東を見る余裕はないし。
日本を攻めて世界中の国から経済制裁を受けるより、貿易して利益を上げた方が、どの国の指導者も懐が潤うだろう。

自衛隊に外国を攻める装備をさせる必要はない。
自衛隊は、被災地の復旧・支援にこそ、活躍の場を求めてほしい。

戦争ではなく交易を。
そういうことを今、考えている。


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