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春の訪れ

「2月は逃げる」
瞬く間に2月も後半になりました。梅の蕾もふくらみ、例年より2週間ほど早く咲き始めています。1本枝をおり、事務所に飾っています。その芳醇で上品な香りに包まれ、春の気配がいたるところで感じらるようになってきました。里山に早春を告げる鶯のさえずりも、穏やかな朝にはどこからか聞こえてきます。


梅の花。蠟梅(ロウバイ)の香りに癒される。


季節は巡り巡り、去年の今頃はまだまだ雪に覆われていました。近所の人々や仲間たちに助けられながら、ハウスの解体や処理に追われていました。ようやくジャガイモの種を蒔けたのは、3月の15日頃だったと記憶しています。

大雪で潰れたハウス。

10年間かけて作り上げてきた設備や機械が崩れ去っていくさまを目の当たりにし、何もかも失ってしまったような気持ちになり、「やっとの思いで開墾した畑も、このまま、また山にかえっていくのでは」と布団の中で3日間うなされました。

しかし、朝日が昇ると、仲間や知人が自発的に片づけを手伝ってくれました。納品先の学校のスタッフや保護者、取引先の会社は特別企画で寄付を募ってくださいました。
背中を押されて押されてまともにお礼もできずに1年が過ぎていきました。本当にありがとうございました。


率先して手伝ってくれるスタッフ。
大雪を乗り越え咲き誇った菜の花畑、2023年。


困っている人を助けるのが私たち「ほのぼのハウス農場の社訓」とは言えないかもしれませんが、当たり前に幸せを分かち合う、収穫を分かち合うということを文化にしていきたいと思います。

農家として、人と自然の共生を通して、1粒の種から1000もの10000もの収穫が生まれ、私たちに恵みをもたらすことの尊さを日々実感しています。

皆さんからいただいた「やさしさ」「思いやり」も、土の中で熟成させ、10倍にも100倍にしながらまた誰かに届けたいと想いながら、この春もまたジャガイモの種をまいています。

能登地震のあと、現地の仲間とともに農場で育てた野菜を少しずつ炊き出しに使ってもらっています。また、さりげなくお客さまからのカンパもいただき、継続させてもらっていることに感謝いたします。


”情熱をもって野菜つくりに励み、人々に感動と希望を与える農家でいつでもありたいと想いながら” 山口敦史

ひとつひとつの種からいろいろな物語が生まれる。


もっと知りたい方はこちら

■ほのぼのハウス農場について↓
 ほのぼのハウス (honobonofarm.com)

■3年前の3月1日の記事。
春よ来い!|ほのぼのハウス農場 (note.com)

■ほのぼのハウス農場の今。
https://www.instagram.com/honobonofarm2014/


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