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日本の少子化は公害の一種なのでは

ただの雑文ですが、Twitterで話していて思い浮かんだのは、就職氷河期とかロスジェネ世代問題は公害に似ているのではないかと思ったので、ツイートに書ききれないことを書きます。

註:この譬喩はロスジェネ世代をゴミと言っているのではありません。ロスジェネ世代は無責任な行為で汚された海や山のような感じです。それによる二次被害は公害で言えば公害病といったところです。

かつて、あるいはいまでも日本には環境汚染による公害があります。企業が利益を追求する中で例えば

  • 工業排水を浄化していたら会社が潰れてしまう

  • みんなやっている

  • 海は大きいのだから少しくらい大丈夫

という理屈で環境汚染をしていました。この思考パターンは氷河期世代の採用にも言えると思います。

  • 通年通り採用していたら会社が潰れてしまう

  • みんなやっている

  • 日本の産業は大きいのだからうちが採用を絞っても大丈夫

と多くの企業がやったところ、大変なことになったというだけの話です。山に行ったらおびただしいゴミが捨ててあったようなもので、一人ひとりの行動は些細なものだったとしても集団で同じ不道徳なことをすると結果は重大で、汚すのは簡単でも掃除するのは大変で、影響は多岐に渡るということです。環境汚染の影響が回復するには長期、場合によっては数百年の時間を要することがあるのも似ています。

海にゴミを捨てる人

運の悪いことにいわゆるロスジェネ世代は団塊ジュニア世代という人口の多い世代で、この世代の就職がうまくいかず、結婚出産が減ったことで少子化が加速したというわけです。

さらにバブル崩壊後の10余年は日本がもっとも不寛容な時代でもあったと思います。

少し上の世代を見ると、大学を出てぶらぶらして31歳で入社したみたいな話はちらほらありました。しかしロスジェネ世代が就職活動をする頃にはエントリーシート方式とインターネットの登場で、31歳の既卒の人は大企業にそもそも応募が不可能でした。

その後、第二新卒ができるなど不寛容さは減りました。

もっとも日本が不寛容だった時代に、人口のボリューム世代が就職活動をして、しかも不景気で採用を激絞りしたのです。そこにハイキングで行った山にゴミを捨てて帰る思考に近い行動で、一つ一つの企業はさほどことの重大さや責任感を持たずに軽はずみな行動をした結果が現在の惨状ではないかと思います。

ロスジェネ世代の採用にあたったのはロスジェネ世代の親世代、団塊世代か、そのもう少し上の世代でした。

山を歩いていると、ゴミを持ち帰りましょうという看板をよく見るが、大体かなり年季が入っている。20年か30年は経っていそうな感じだ。

聞いたり調べたりしたところ、1960~70年代の登山ブームは今と違って若者が中心のブームだった様だ。で、その頃は、ゴミを山頂付近に埋めるのが登山者の正しいマナーだったのらしい。

正気?って感じだが、きっとその辺にポイ捨てするよりは埋めて見えなくする方がマシと思っていたのだろう。今でも小さなゴミや煙草の吸い殻を道ばたの側溝に捨てる人がいるが、きっと同じような意識で自分は正しいことをしていると思っているのだろう。

ポイ捨てよりはマシだから、山にゴミを埋めるのがマナーであり常識だった時代があったのだ。2012年の常識からすると、ずいぶん志の低いマナーである。

https://dailyportalz.jp/kiji/120911157351

年代がかぶるような気がするのは僕だけでしょうか。なお

山に捨てたゴミがドラえもんによって送り返される図
昭和の時代にもこのような行為が蛮行であるという意識はあったようだ

藤子・F・不二雄はこのような行為については警鐘を鳴らしていた1人です。『ドラえもん のび太とアニマル惑星』でも環境汚染で地獄のような環境になった星の話が出てきます。

少子化は単に子供が減るだけではありません。産業は弱体化するし納税額も減り国力そのものを蝕みます。風が吹けば桶屋が儲かる的な話ですが、保育園に入れない問題など卑近な問題の根本原因は団塊世代が行った軽はずみな決定にあるかも知れません。

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