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1カラットの指輪を見に行って笑われたお話

以前1カラットの指輪を見に行って店員の方に笑われた事がありました。

それはニューヨークにある「ハリー・ウィンストン」という超高級ブランドのお店に行った時の事でした。
個人的な仕事でもあり、一応プロですしもちろん冷やかし半分ではあったのですが、そんな高級ブランドには行った事も入った事もありませんでした。

それにあまり綺麗ではない格好で行った為に、こういった事態になったのでした。高級ブランドには小綺麗な服装で行った方が良いですね。
お店に入ってキョロキョロしていると店員さんが話しかけてくれました。拙い英語だったのですがとても丁寧に接客してくれたのです。

婚約指輪を買いたいと言ってみました。

「何を探しに来たんだい?」

と。本当は特に何かという訳ではなくダイヤモンドを使ったジュエリーを見てみたいと思っていたのですが、日本では婚約指輪を扱っている事もあって、

「婚約指輪を。」

と話すと、

「結婚するのかい?」

と、とてもフレンドリーに接してくれて「どんなデザインが良いのか?どんな宝石が良いのか?」など聞いてくれて最後に、

「ダイヤモンドならどれくらいの大きさが良いのか?」

と聞かれたのです。日本でも1カラット以上の2カラットや3カラットのダイヤモンドを見てきたとはいえ、観光客と言うか婚約指輪を見に来ているという設定の為に、

「1カラットくらいのダイヤモンドの婚約指輪を見たい。」

といった瞬間に店員さんの目が半分笑ったように感じました。

1カラットのダイヤモンドは小さい方でした。

確かに身なりは汚いし、英語も下手くそ。小さな日本人です。バカにされて当たり前です。プロという素性を隠している訳ですから最低です。

店員さんはそんな事は知る訳ないですから、冷やかしと感じるのも当然なのです。店員さんは1つも悪くありません。そんな訳で店員さんは半笑いで、

「そうか。それはうちでは一番小さなダイヤだね。」

と言いました。周りを見回すと確かに1カラットは小さい方のダイヤモンドです。それでも笑うと言うよりは温かい笑顔で商品を見せてくれるのです。

「これはどうだ?こんなのもあるぞ。」

といったように。

実は笑われた訳ではなかったんです。

とても親身になって一緒に商品を選んでくれました。初めはちょっと小馬鹿にされたと感じたボクでしたが、実際は、

「ダイヤモンドジュエリーとはこういうものなんだよ。」

とレクチャーしてくれているような雰囲気に感じました。思わずこの人からなら買って良いかな。と思ってしまいました。プロなのに。

結局、超が付くような高級ジュエリーブランドの方はとても優しくジュエリーが好きな人が増えるような接客をしてくれましたし、1時間ほど親身に接客してくれて凄く楽しい時間を過ごす事が出来ました。買う事は出来ませんでしたが帰り際も凄く丁寧にしてくれて笑顔で「またおいで」と言ってくれたのです。

プロという事をすっかり忘れて、

「いつかハリーウィンストンでダイヤモンドジュエリーを買いたい!」

と思った程です。たまたま人が少なかったので店員さんも余裕があったのかも知れませんし、純粋に優しい方だったのかも知れません。

でも、凄く良い体験でしたしネットショップを作る時の勉強にもなりました。この体験は笑われたというより優しく笑顔で包まれた体験といった方が正しかったのかも知れません。

それからネットショップを作る事になったんですが、この時の体験が今のボクのネットショップの接客に繋がっているのだと思います。

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