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いつもの?あたらしいの?どっちにする?

定番と新物のバランスについて書きます。

同じお店に定期的に通うと、定番モノと新しいモノで悩むことがあります。
いつもの「アレ」を頼むつもりが、つい「新登場」のヤツを選んでしまったという経験、ありませんか?(で、後でやっぱり当初の定番がほしくなって、また買うというワナに…)

ある一人の中でも新旧問題は起きることです。てっきり私は一人の中で起こる心理変化の話だと思っていました。
しかし、人のタイプが2つあるという見方もあることに気がつきました。新しい物好きでキャンペーンにはかならず乗るタイプもいれば、注文すらせずに店員さんがお客さんの顔だけ見て「(いつもの)○○ですね」と出すくらいの定番を好む人もいます。

定番も新物もどちらも必要です。ずっと代わり映えしないとくすんでいくし、すべてが常に新しいと、もはや親近感どころか同じお店と認識することすらできなくなります。行きつけ、なじみという言葉ともっとも縁遠いポジションになります。

そして、定番と新物のバランスこそが全体の方向性を決め、将来の流れを決めていくものです。新しさをウリにするブランドもあるし、変わらなさをウリにするブランドもあるでしょう。目指すブランドの位置取り次第で、あたかもロゴデザインの色を調整するように、新旧バランスを整えることになるでしょう。

定番は「ホッ」を、新物は「ドキドキワクワク」という感情をそれぞれ呼び起こします。

いつもの「ホッ」を求めつつ、たまにちょっぴりの「ドキドキワクワク」もほしい――これは脳の仕組みからきています。脳は基本的に環境変化が苦手。なるべく変わらないようにする機構を持っています。ところが適度な刺激もほしい。秩序と混沌の境目が飽きもせず、パニックにもならないちょうどよいポジションになります。

変化と不変。これら矛盾するものを統合するには、白黒つける0-1方式ではなく、ハバをもったグレーな対応が効果的。バランスでいじることで、ファンを手放さず、新しいファンを獲得することが可能になります。

逆に消費者としては、自分がどんなバランスで新旧を求めているか、お店側はどう新旧バランスをとっているのか、という視点で眺めることで、後悔の少ない選択がしやすくなることでしょう。

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