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美容師さんにまた恋愛指南をしていただきました

 ↑以前の日記でご紹介した美容師さんのいる美容室に行って参りました。

 わたしにとっては美容室兼恋愛相談所でございます。

 いつもお会計に恋愛相談料が全く計上されていないのが毎回不思議になるくらいです。

 今回はカットとトリートメントをお願いしました。

 美容室に入ってすぐ、美容師さんの方から「で、どうですか? 恋愛の方は?」と話を振ってくださったので、現状報告をしました。

 すると…。



 美容師さん
 「G-darkさん、のんびりしている場合じゃ無いですよ。あと二ヶ月しか無いんですよ」

 わたし
 「何がですか?」

 美容師さん
 「クリスマスまであと二ヶ月しか無いんですよ」

 わたし
 「!! わたしには無関係のイベント過ぎて、クリスマスの存在そのものを忘れていました…! いいんです、クリスマスはカップルのためのものってわけじゃありません。クリスマスはみんなのものです」

 美容師さん
 「さっさとクマちゃん(Zさんのことです。Zさんの個人名を美容師さんにお伝えすることは出来ないので、愛称をお伝えしてあります)に一撃をくらわせて、付き合って、クリスマスデートに行けばいいじゃないですか。来月からまた旅行の割引キャンペーンが始まりますし、2泊3日とかどうですか?」

 わたし
 「そんな! ハードルが高すぎます! 〝一撃〟って前回おっしゃっていたボディータッチのことですよね? それに、クリスマスデート…? 旅行…? ゲームで言えば、まだレベル2の勇者に〝今すぐラスボスを倒して来い〟って言うくらい無茶です!」

 美容師さん
 「じゃあ、とりあえず手を繋いでみるとか」

 わたし
 「手…!? セクハラになっちゃいます! 今はせっかく、クマちゃんに話しかけるとニコニコ笑ってもらったり、ちょっとイジってもらえる関係なのに、わたしの行動によってそれを失うことになったらと思うと怖いです…」

 美容師さん
 「ちょっとイジられる、とは?」

 わたし
 「この間、わたしが書いた報告書をクマちゃんが突然わたしの目の前で楽しそうに音読し始めて、わたしが〝えっ、恥ずかしいです。わざわざ読み上げないでください〟とあたふたしたら、クマちゃんがすっごく嬉しそうに笑っていました」

 美容師さん
 「いやだからなぜそれでまだ付き合ってないんですか? 男にとって女性をイジるのは愛情表現の一つですよ。気を引く手段です。男は好意のある女性のことしかイジりません。好意のない女性のことをからかったりはしますけど。からかうのとイジるのは全く違います。それに、男は好きじゃない女性が〝恥ずかしい〟と言ってもリアクションはうっすいものです。クマちゃんが嬉しそうに笑っていたなら脈アリじゃないですか? 好きな女性が恥ずかしがっている姿というだけでもグッとくるのに、しかも恥ずかしがらせたのが自分だなんて、男にとってはご褒美以外の何物でもないですよ」

 わたし
 「そうなんですか!? でも、もしかしたら単に報告書が物凄く面白かっただけかもしれません」

 美容師さん
 「物凄く面白い報告書なんてこの世に存在するんですか?」

 わたし
 「するかもしれないじゃないですか」

 美容師さん
 「もしかして、G-darkさんはクマちゃんに好意がバレないようにしていますか?」

 わたし
 「はい。出来るだけビジネスモードで接するように心がけています。仕事でお世話になっている方ですし、お互い仕事中に会いますから。それでも、ついふとした時に素で接してしまう時がありますけど…。気をつけています」

 美容師さん
 「ダメですよ! クマちゃんみたいなタイプには、むしろ積極的に好きバレしていかないと!」

 わたし
 「えっ、でも、男性って追いかけたい生き物なのでは?」

 美容師さん
 「恋愛経験豊富な男は〝この女性は俺のことを好きだ〟と思ったら女性のことを下に見たりしますけど、恋愛経験が少ないもしくは0だという男の場合〝この女性は俺のことを好きだ〟と確信出来ないと自分からアプローチ出来ない男が多いと思います。〝この女性は俺の良さを理解してくれる、見る目のある人だ!〟と思えれば、あとは相手のことをどんどん好きになります」

 わたし
 「『となりのトトロ』でサツキに傘を貸す時のカンタみたいに、わたしはクマちゃんを前にすると気の利いたことを何も言えなくなります。クマちゃんのことを大好きなのがバレないように、真顔でいることもしょっちゅう。後から〝ああ言えば良かった〟〝あんなこと言わなければ良かった〟と後悔したりします」

 美容師さん
 「カンタ…! ついに恋愛レベルが小学生以下に…!」

 わたし
 「『天空の城ラピュタ』のパズーみたいに、異性に対して臆することなく、介抱したり、料理をふるまったりと、スマートに振る舞うなんて無理です。パズーは架空の人物ですけど、きっとイタリア人かフランス人の血が入ってるんじゃないですか? わたしは純日本人なので、カンタのようにしか振る舞えません。ハクみたいに愛情たっぷりのおにぎりをプレゼントなんて出来ないし、トンボみたいに超フレンドリーに急接近することも出来なくて…」

 美容師さん
 「なぜいちいち男キャラにたとえるんですか? どうせなら『耳をすませば』の天沢聖司みたいに、用意周到に計画を練って好きな人に近づき、わざわざみんなの前であからさまに呼び出して、ライバルの気持ちを完全にへし折る! くらいのことをしましょうよ」

 わたし
 「天沢聖司が許されたのはイケメンだからですよ。もし天沢聖司がブサイクだったら許されてないですよ。ストーカーですよ」

 美容師さん
 「…そういえば、この間〇〇さん(わたしと美容師さんの共通の知り合いの高身長爽やかスポーツ万能イケメン独身男性。Zさんと同じ職場の、違う課の方。わたしは〇〇さんとは特に仕事の繋がりがないので、全く親しくありません)と合コンの話をしたんですよ。僕のお客さん(女性)が出会いを欲しがっていて。〇〇さんに、〝同じ職場の独身の男を集めてよ〟と話しました」

 わたし
 「いいなぁ。楽しそうですね。でも、どうか〇〇さんに、〝Zさん(クマちゃん)のことは絶対合コンに誘わないでください〟とお伝えください。もしクマちゃんに彼女が出来たら、わたしは泣いちゃいます」

 美容師さん
 「自分で〇〇さんにそう言ったらいいじゃないですか。なんなら〇〇さんに〝G-darkさんが君のこと好きらしいよ〟って言ってもらうとか」

 わたし
 「無理です! 最近わたしの職場の先輩にも〝じれったすぎて恋愛ドキュメンタリー番組を観てる気分になる。わたしがZさんに囁き女将しようか?〟って提案されましたけど、断りました」

 美容師さん
 「その先輩の気持ち、分かります。もしかしてG-darkさんの上司も、G-darkさんがクマちゃんのことを好きだって知ってますか?」

 わたし
 「はい。知っています。クマちゃんからの電話を受けた時と、他の方からの電話を受けた時とでは、わたしの声のトーンが明らかに違うらしくて。すぐバレました。他の同僚もニヤニヤしています。クマちゃんと対面している時は出来るだけ真顔でいるよう努めていますけど、やはり電話だと気が緩むのかもしれません。職場なんだから気をつけないと…」

 美容師さん
 「次回から、もう真顔はやめましょう! 電話の時だけではなく、クマちゃんと会っている時も嬉しさを全開にしてみてください。マスクをしていると顔下半分の表情が隠れてしまうのが残念ですが、それでもにっこり笑っているのがはっきり伝わるようにしてみてください」

 わたし
 「わたしはにっこり笑うと目がなくなっちゃうんですけど」

 美容師さん
 「それでいいんですよ! カンタ作戦よりそっちの方がずっといいです。今までツンデレな対応をしていたのだとしたら、これからはデレていかないとダメですよ!」



 今回は以上のような有難いアドバイスを頂きました。

 デレるのは照れるし恥ずかしいのですが、これからは勇気を振り絞ってデレてみたいと思います。

 ちなみに、デレるというのは、手始めに「べ、別にあんたのこと好きってわけじゃないんだからねっ!」とか「あんた馬鹿ァ?」というような、ツンデレ文例集に載っていそうなセリフを言えば良いのでしょうか?

 いやいや、もしもそんなことを言ってクマちゃんが悲しそうな顔をしたらわたしも悲しくなってしまいます。

 だから、ここは「あんたが元気無さそうだとわたしも元気無くなるんだけど!」と言うべきでしょうか?

 あれ? それはデレではなくツン?

 考えていたら混乱してきました。

 うーん、デレるって難易度高い…。

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