見出し画像

なぜかハワイにいる2024(その2)〜ホノルル美術館を堪能する

(承前)

日中の会社主催のイベントはゴルフ、私はゴルフはやらない。マリン・スポーツのようなものも興味がないし、買いたいものもない。オプショナル・ツアーもあるが、旅行先で時間を人にコントロールされるのは好まない。

そんな私が向かったのは、ホノルル美術館(HOMA)。事前に調べると、なかなか面白そうな美術館である。ABCストアで、市バスの1日券(9.50ドル)を買って、10時の開館をめがけ美術館に向かった。今は便利である。Googleマップで、ルートが簡単に調べられるどころか、乗るべきバスがどこにいるかまで表示される。美術館に入場すると、右側が西洋アート、左側がアジア美術という配置になっていて、まずは右手の西洋美術のセクションに入場した。

最初の部屋には、青銅器時代(紀元前2400−2500年)、エーゲ文明の女性像など古代美術中心に収められているが、その中に、モディリアニの裸婦の絵(1918年頃)が展示されている。解説には、ルネッサンス期ボッティチェリの「ビーナスの誕生」に通じること、そしてモディリアニの古代美術への関心が書かれている。

もちろん、ハワイ・太平洋関係の美術もあり、中でもTheodore Woresの「The Lei Maker」(1901年)、Lionel Walden「The Torchlight Fishermen, Waikiki」(1930年)が印象的だった。

そしてデヴィッド・ホックニーの特別展東京での大展覧会の衝撃がまだ残っている中、「また、会えましたね」という感じで嬉しかった。

印象派はモネ、ピサロ、ゴッホ、ゴーギャン、さらにマチス、ピカソなど、各1点程度だが収蔵されているほか、アメリカ人画家、ウィッスラーやサージェントの魅力的な肖像画も見ることができる。

ゴヤの版画集「戦争の惨禍」と、それに呼応するスペインの画家エンリケ・チャゴヤのオマージュ作が並べて展示されているのが面白い。

この辺りで1時間半近く経過していたので、感じの良いミュージアム・カフェで早めの昼食 with ビールとワインで元気を補給し、アジア美術のサイドへ向かった。

これがまた面白い。中国・韓国・インド・インドネシア・タイ、そしてフィリピンなど。こうして、まとめて様々なアジア美術を見る機会はあまりなかった。仏像は別に固められていて、近似点・相違点を感じることができる。

日本については、埴輪・縄文土器・仏像があることも驚きだったが、木版画も多数。アメリカで3番目の収容数を誇るらしい。この日は、葛飾北斎の「百人一首:うばがゑとき」が何点か展示されていた。そして嬉しかったのが、特別展示されている「源氏物語」関連の作品。(今年は、「源氏物語」を再読している)土佐光吉や土佐派が桃山時代から江戸期にかけて描いた、源氏物語各帖の絵などが展示されている。さらに、その脇には、「源氏物語」にインスパイアされた、ヘレン・フランケンサーラーの1998年の作品が飾られている。

最後に目にしたのが、ハワイのアーチスト、Kapulani Langdgrafによる「Au'a」。108人の顔写真が並び、写真には細かい文字で“ We Are Not American He Hawaiʻi Mau a Mau“とプリントされている。ハワイが、アメリカ合衆国により不法に転覆されたことに関するメッセージである。

この作品を見て、ハワイ王国についてもう少し知りたいと思い、次の目的地に向かった


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?