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全ての映画ファンに観てほしいドラマ「ジ・オファー」〜“ゴッドファーザー“の裏側

FM番組「山下達郎サンデー・ソングブック」、視聴者からの「ツアー中に読んで面白かった本は?」という質問に対し、山下達郎は「本はあまり読んでいないけれど、映像作品はたくさん観た。中でも『ジ・オファー』が滅法面白かった」という趣旨の回答を返していました.

2022年のドラマ「ジ・オファー」(U-NEXTで配信)、これはと思い、早速観たのですが;

1.映画「ゴッドファーザー」(1972年)ファンの皆さん、今すぐ観てください。最高のドラマです!

2.映画「ゴッドファーザー」観たけれど、ほとんど覚えていないという方。できたら、もう一度観てください。そしてこのドラマに取り組んで下さい。面白さが倍増します.

3.映画「ゴッドファーザー」を観たことがない方。あなたは、人生において大事なことをやり残しています。まずは映画を観て下さい。続いてこのドラマをどうぞ。今までの損失を埋め合わせることができます.

そして、全ての映画好きの方々、是非このドラマを観てください。

アカデミー賞作品賞のオスカー像を受け取るのは誰か。監督ではありません、プロデューサーと言われる人です。このドラマは、「ゴッドファーザー」のプロデューサー、アルバート・S・ランディが、数々の困難を乗り越えながら、映画史に残る名作を作り上げる物語です。クレジットでは、“ランディの経験に基づく“とあり、ランディ自身が制作総指揮に名を連ねています。

タイトルの“オファー〜Offer“とは、<提供、提議、申し出>(リーダーズ英和辞典第3版、以下同)という意味ですが、さらに<申し込み(こういう条件ならあることを履行するという旨の意思表示;相手方が承諾すれば契約となる>と書かれています。オファーが受諾されると、“ディール〜Deal“になるのです。

そして、「ゴッドファーザー」の名セリフの一つが、“I'm gonna make him an offer he can't refuse“(私はこれから、彼が拒否できないオファーをする)。ゴッドファーザー、ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)が、歌手のジョニー・フォンテーンを映画に出すように“Offer“を実施する。プロデューサーはそれを拒否することはできない。なぜならば。。。。。

映画に呼応するかのように、数限りないオファーがドラマに登場します。関係するのは、パラマウントの経営陣(当時、パラマウントはコングロマリットのガルフ&ウェスタンの傘下にあり、経営は必ずしも上手くいっていなかった)、監督のコッポラ、役者陣、そしてマフィアなどなど。

結果が分かっていても、手に汗を握る展開。友情・愛情・嫉妬、そして映画を愛するが故のエゴが渦巻き、その奔流の中を映画は左右に振らされていきます。最後はちょっと感動してしまいました。

程度の差こそあれ、全ての映画は様々な産みの苦しみを経て生まれていることでしょう。その究極が「ゴッドファーザー」ですが、このドラマを見るともっと映画を観たくなります。

「ゴッドファーザー Part II」(1974年)はもちろんのこと、「ある愛の詩」(1970年)、「チャイナタウン」(1974年)、「ロンゲストヤード」(1974年、封切り時に観たことを思い出しました)、「ペーパームーン」(1973年)。。。。etc.

「ジ・オファー」、映画好きの気持ちを刺激してくれます


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