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マンガ版「BLUE GIANT」を読む〜BGMも発売されています

ウィントン・マルサリスに続いて、ジャズのネタをもう一本。

アニメ「BLUE GIANT」については2月に書きましたが、作品は好評を博しているようで、友人からも感想が入ってきます。

我慢できなくなり、原作のマンガを手に取りました。作者の石塚真一は、デビュー作「岳 みんなの山」で小学館漫画賞などを受賞しました。「岳」はロンドン駐在時代、知人から回ってきて読んでいました。その後は、縁がなかったのですが、2012年の「岳」終了後、2013年から「BLUE GIANT」の連載を開始していました。

マンガ版「BLUE GIANT」、まず何がうれしいかと言えば、アニメでは時間の関係で描かれなかった、主人公・宮本大の高校時代が読めることです。彼のホームタウンは仙台ですが、ジャズを大事にする街の様子、そして彼の家族との関係、そうした環境の中でサックスの勉強を始める宮本大。

アニメを観て満足した方は、是非、この仙台編を読んで欲しいと思います。ここに彼の原点があり、その後に生み出す音楽へとつながっていきます。

石塚真一のマンガは、ちばてつやの作品を想起させます。暖かな気持ちの人々が多く登場し、「人生は捨てたものじゃない」と感じさせてくれます。

読みながら、登場するジャズ・ミュージシャン、音楽についてプレイリストを作ろうかと思いましたが、登場する固有名詞・楽曲名は意外に少ないものです。おそらく、ジャズを知らない読者にも、アレルギー反応を起こすことなく読んで欲しいという意図ではないかと思います。それでいて、ジャズの魅力が伝わるようにできているところも、“上手いなぁ“と思いました。

そうは言ってもと、ジョニー・グリフィンジョン・コルトレーンデクスター・ゴードンと拾っていたのですが、そんな必要はありませんでした。CDがしっかり発売されています。第1巻発売時に出たコンセプト・アルバム「BLUE GIANT」。さらに、2015年の「The Sounds of BLUE GIANT」、こちらはまさしく作中で登場する楽曲中心に編集されていて、上記3人のテナー・サックス奏者の楽曲から始まります。この2枚を合わせた「コンプリート・エディション」もあり、配信もされています。

これらを聴きながら、マンガを読むと、立体的に楽しめ気分も高揚しますよ。

シリーズは、この後、欧州編「BLUE GIANT SUPREME」へと続きます


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