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お参りンピック・法螺リンピック開会式

東京オリンピックの期間中…ひっそりと行われていたもうひとつ五輪があった…
それがお参りンピック または 法螺リンピックである。

なにをばかな。

いきなりなにを言っているのだ。

ふざけるのもいい加減にしろ。

かようなことは勢いで、説明するのはやぼというものである。

オリンピック期間中は大切な聖地にお参りに行き、その地に立ち、世界中から20年間で集まってきた貝を立て、響かせる。音の柱、光の柱を立てる。

それがお参りンピック 法螺リンピック なのである。

本当なら国立競技場で行いたいところだ。

だがきっとあまり歓迎はされないであろう。

その昔谷啓さんは1964年のオリンピック期間中に選手団風のジャケットとパンツを作り、いかにも選手団のような顔をして国立競技場の周りをぐるぐる行進した…とご本人から聞いたことがある。

それも考えたのだが…今回は尋常ならざる状況での五輪である。

迷惑になってはいけない…

そんなわけでわたくしと門下生は東京オリンピック開会式のその日7月23日に信州は戸隠山に上がり、私たちなりに響きの開会式に及んだのである。

開幕間近まで残念なことが続いた東京五輪である。

これでは世界から集まってくる神仏スピリッツに申し訳ない。わたしらはわたしらのマツリをやってやるー。

こうして集まった世界法螺貝選手団はアフリカ、ギリシャ、ハワイ、タヒチ、インド、チベット、八重山、伊豆、和歌山などなど。

海から見れば陸はみんな島。

海の音を繋げて響きで世界を一つに!などと馬鹿なことを言いながら。

戸隠の霊地を巡礼して立螺したのだ。

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↑九頭龍社の前に各国の選手団入場。勢揃い。

夜になった。23日は満月の前夜である。
雲間に光るまあるい月は柔らかな光で聖地と法螺貝を立てるわたしたちを照らしている。

配信で状況が伝わってくる。

申し訳無いがどうにも細切れでなんだかよくわからない開会式を戸隠山で視ている私達だ。

流れというモノがない。

国立競技場ではなかなか聖火に火が灯らない。

会場と同時に炎と煙をあげようとして待っていたのだが間延びして耐えられず…笑

21時頃。たまらずこちら戸隠会場は戸隠流忍者による聖火点火(焚き火)🔥

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太鼓をはたき、大祓詞を挙げ、真言を唱える。

法螺貝が何丁も響く。

すると不思議なことがあった。

戸隠連山が3回。ぴかっと光ったのである。

これはいかなこと。

その後赤い大きな光の球がやはり三つ光ながら山を横切った。

なんとも神秘的な光景に息を呑むわたしたち。

戸隠山は海底から隆起した山である。

山の中には沢山の海洋性生物が化石となって埋もれている。

もちろんその中に貝だってある。

それが共鳴して光ったのではないか?荒唐無稽な想像をしながら気がつくと…

空間がぼうっと白く光り始めた。

夜なのに甚だしく明るい。

全員がちょうちんの中に入ったような…

振り返ると霊山の上にまあるいお月様が出ている。

そうか。霧、靄の類いを月光が照らして空間が光っているのだ。

地べたには太陽の光に照らされたようにわたしたち法螺師たち忍者達の姿が真っ黒く投影されている。

よく見ると私たちもみな月の光に照らされて、もわっと光を発している。

わたしにはそれがそれぞれが奏でる音楽のように感じられたのであった。

法螺貝を立てなくとも太鼓を叩かなくともお経やマントラ祝詞を発しなくても私たちの存在はそれぞれがそれぞれの歌を歌っているのだあ。

なんて感激していたわたしだ。

垣間見えた星々にもう一度立螺。

それぞれの貝の響きに応えて星々がきらりきらりとまたたいたような。

There is cosmic music in the air!

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オチはありまへんで失礼します。

つづく(はず)

南無月読命

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