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農家さんのホームページは「編集力」が勝負です

「情報の受け手側にとって価値のある情報」を発信すること

情報発信側が言いたいことを書いても情報を受取る側には届かない場合も多くあります。お客様(情報を受け取る側)は自身の問題・悩みを解決できる情報をインターネット上で探します。つまり、発信した情報がお客様の悩みを解決してくれる情報でないと、お客様は情報を読んでくれません。情報を見て納得・共感してもらえればお客様の満足感が上がり、次のアクションを起こしてくれる可能性がグッと高まります。

農家さんが伝えたいことを「お客様にとって価値のある情報に変換する作業」が必要なのです。ここでは、この作業を編集と呼ぶことにします。お客様にとって価値のある情報であれば、お客様がその情報を見つけてくれて情報をきちんと理解して次の行動を起こしてくれる、という可能性が高まるのです。

編集作業は伝えたい情報を整理するところから始まります。まず、情報を集めて種類によって分類して整理する。このとき、お客様側からの視点での作業を心がけてください。

編集を日常の習慣にして慣れること

この作業はまとめて一気に行うのではなく、日常の中で行う習慣をつけましょう。スマホで野菜の写真を撮るときも、誰に何のために(どう感じて欲しいか)を少し意識するだけで何も考えずに撮った写真とは変わってくるはずです。そうして日常の中で「編集」を意識し、ちょっとした作業をしていくことが大事です。

お客様にとって価値のある情報とはどんなものか、ということを常に考えるようにします。例えば、自分が売りたい商品を買ってくれるお客様はどんな人か。そして、お客様の立場で、どんな商品をどんな理由で探しているのか。お客様が「○○○について知りたい」と思ったとき、どんな言葉で検索するのか?ということをあれこれ考えてみます。

さらに、実際にピックアップしたキーワードで検索してみる。検索結果の上位に表示されたコンテンツを読む。検索結果の上位にランキングされているということは「検索エンジン」がお客様の役に立つ価値ある情報と判断しているので、そういう意味での参考になる部分もあると思います。

お客様にとって価値ある情報(コンテンツ)を探る

自分の農業スタイル、自分が提供している商品の良い部分は何か。それとお客様が探している情報を、どうやって結びつければいいのでしょうか。例えば、有機での野菜栽培を行っている農家さんの場合。有機栽培で育てられた野菜を探しているお客様は、どんな理由でそれを探しているのか想像してみましょう。農薬をさけたい、なんとなく体に良さそうだから、アレルギー体質だから…いくつかの理由が想像できると思います。その「悩み」を自分の商品が解決できるだろうか。できるのであれば、どのように伝えれば、わかりやすくアピールできるのかを考えてみてください。

このように、お客様の具体的な悩みに焦点を絞ってそれに対する回答を具体的な情報で提供する。それによって、「有機農業をやっています」という一般的なアピールではなく、その人ならではの回答を提供し結果として他との違いをアピールすることにもつながります。有機農業の農産物には有機農産物と特別栽培農産物があって農薬・化学肥料を3年以上使用していない…というような情報が、有機野菜を買いたいと思っているお客様の悩みを解決できるのか?という視点。 有機農業をアピールするポイントは、土づくりや種選び、栽培の方法などその人がこだわっているポイントがたくさんあると思います。どの悩みに対してどんな回答を用意するか、ここのセンスが問われるのが編集です。

とはいえ、あくまでも仮定、予測にすぎないのでひとつのコンテンツを作って完了、というわけにはいきません。ホームページを運営していく中で、それに対する反応を見ながらコンテンツの改良、更新をしていくと必ず傾向が見えてきます。この積み重ねで編集力も上がってきます。

農家さんがホームページを作るときの「編集」とは何かを整理してみます。

・農家さんが言いたいこと伝えたいことの情報を集め、分類、整理する

・これらをPR活動に使用する各ツール(ホームページ、ツイッター、フェイスブック、チラシなど)それぞれに適した表現で、一定の方針と形式にそって構築する

・これによって、伝えたい相手にとって「価値のある情報」に変える作業

編集力が必要とされるのは農家ホームページに限ったことではありません。ホームページに限らず仕事やプライベートなど様々な場面において編集能力の重要度が認識されてきていますので、この機会に編集を強く意識して運営者自身が編集力を高めていくと様々な場面で役に立つと思います。

Webの仕事のかたわら、食・農業に関わっています。最近、ついに畑を借りてしまいました…。本業が…、