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【読了】『情報化社会』

はじめに
情報が氾濫する社会に、私たちは どう対応していったらよいのか・・・
現代社会で言われている事が既に50年前に問題提起されている。
古書店で見つけた。
読んでみることに。

『情報化社会』林雄二郎 著
 講談社現代新書 (1969.05.16.)


情報化社会とは

情報化社会とは「インターネットなどの通信技術の進歩やコンピュータ利用の普及、 情報産業 の発達による情報の大規模な生産・加工・処理・操作・消費によって、従来の工業化社会における社会規範や価値観がかわりつつある社会」と、定義されている。

この本が出版された 1969年(昭和44年)は、情報社会の萌芽期のようでした。

本書の終盤の章を読むことにする。

情報化と云う社会変化

情報産業の発達
① 情報そのものの商品価値が高まってくるから、情報を商品とする情報産業が益々 盛んになるであろう。
② すべての産業が、情報の処理を必要とし、情報化の傾向を取ることを余儀なくされるであろう。
著者は、この時点 1969年(昭和44年) で推測していた。
そして、忘れてはならない問題として、次の問題提起をしている。

情報産業が発達することによって社会環境が大きく変わり、それによって人間の考え方が基本的に変わってきつつある。
p.161
社会の情報化を、ただ単に情報産業の勃興や、コンピュータの普及と云うことだけからとらえて社会の情報化と考える傾向が多い。
p.162

情報を計量化する試み
pp.163〜176.

情報化時代の人間

テレビ人間とコンピュータ人間

テレビ人間
拡散効果 都会と地方の区別がなくなる
地方の人が都会の人のような意識になっていく
pp.178〜180.

日本と海外の地理的な格差がなくなる
pp.183〜192.

活字から読み取る感覚から映像からの感覚へ
p.192

コンピュータ人間
コンピュータは 必需品
コンピュータは 人間の身替わり
論理的思考型人間 p.200

課題:テレビ人間とコンピュータ人間の断絶
pp.202〜204.

情報化社会への考察

情報化社会の指向するところは、効率を重視し、一切の無駄を排除することではない。
効率の重視は、いたずらに社会的な緊張を増し、人々に大きな苦痛を与える結果になる。
【情報化】とは、社会に流通するものが、手に触れ、形ある物から無形の感覚的・神経的な刺激、すなわち「情報」に移行していくことである。
いたずらに、コンピュータ(機械)に熟練した技術者になることではない。
pp.207〜209. あとがきより

【参考】

林雄二郎と『情報化社会』

情報化社会 復刻版

ハードな社会からソフトな社会へ

2023.04.03.

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