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現代お笑い論

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【不定期連載】気鋭の美学研究者、鈴木亘さんによるお笑い評論です。お笑いをより深く楽しみたい方に。
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#堀之内出版

【現代お笑い論】#003 業界用語でお笑いを語る観客たち──お笑い批評と仕事術 鈴木亘

※こちらのnoteは鈴木亘さんの不定期連載「現代お笑い論」の第三回です。他の記事はこちらから。 業界用語でお笑いを語る観客たち──お笑い批評と仕事術連載の第1回で、人々がどんどんお笑いについて語るようになっている、と書いた。次に考えたいのは、人々はどのようにお笑いについて語っているのか、ということだ。 言葉や比喩、観点、枠組み、評価軸の語り等々、さまざまな点から考えることが可能だが、今回取り上げたいのは、最近のお笑い語りの言葉、もっと言うと「用語」についてである。 近年

【現代お笑い論】#001 誰もがM-1について語る時代に、より深くお笑いを楽しむには? 鈴木亘

※こちらのnoteは鈴木亘さんの不定期連載「現代お笑い論」の第一回です。現代ビジネスに掲載された原稿(https://gendai.media/articles/-/105145)に一部加筆したものです。 誰もがM-1について語る時代に、より深くお笑いを楽しむには?気鋭の研究者による鮮やかな論点の整理 数あるお笑い賞レースの中でも、M-1グランプリほどに議論を巻き起こすコンテストはない。そして、これほどお笑いについて観客が「語る」機会もないだろう。予選の段階から、本命や注