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「マンセー」という言葉の濫用はやめましょう

 いつからかはわかりませんが、一般的に、何かを手放しで過剰に賛美・崇敬する行為を揶揄する時に、主にネットで「マンセー」という言葉が使われています。語源は「万歳」韓国語読みですが、今は語源を知らずに使っている人もいるかも知れません。

 おそらく発祥は旧2ちゃんねるでしょう。最初は韓国での何らかの現象を取り上げるところから始まったような記憶があります(あまり定かではありませんが、主に揶揄的なニュアンスであったように思います)。

 ところがいつの間にか、日本で普通に見られるような、何らかの過剰な賛美・崇敬の現象についても、揶揄的な意味で「マンセー」というようになってしまいました。

 わかりやすい例としては、安倍首相を賛美しすぎる行為を「安倍マンセー」と呼んだりする事案があります。

 しかしこれはおかしな話でしょう。何かを過剰に賛美したり崇拝したりするというのは、韓国特有でも何でもなく、日本でも他国でも普通に存在する現象なのですから、わざわざ韓国語の単語を使って表現する理由はないはずです。そもそも韓国・朝鮮の人に対して失礼ではないかとさえ思います。

 日本の現象を取り上げて語る場合は、それこそ「バンザイ」で良いのではないでしょうか。「バンザイ」という言葉は、戦前戦中から、それこそ行き過ぎたほどの賛美や崇敬の念を表すためにも、良きにつけ悪しきにつけ、日本で頻繁に用いられてきた、歴史を背負った言葉なのですから。

 


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