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比類なき衣装たち(雑誌「装苑 2024/3月号」を読んで)

ミュージシャンのあのさんが表紙の雑誌「装苑」。

普段は読まない雑誌だが、あのさんの華やかさに惹かれて誌面を手にとってみた。特集名としてライティングされた「比類なき衣装たち」という言葉に負けないくらい、それぞれのコンテンツも充実していた。

どの時代でも、人々の記憶に刻まれる衣装は比類なきものであり
そこには色濃く時代が映し出され、気がつけば文化となっていく。
コスプレなどの“ジャパン・カルチャー”の形成にも大きな影響を与え、
ある視点では、コレクションブランド以上に流行のきっかけを生み出す
衣装問いうオートクチュールの世界で、今、起こっていることとは。

(雑誌「装苑 2024/3月号」P19より引用)

例えば本誌では、映画「哀れなるものたち」の衣装デザインを担当したホリー・ワディントンさんへの取材記事が掲載されている。「脚本が示すことを衣装で表す」という彼女の仕事へのこだわりが記されていた。

今回の衣装は、ほとんどすべて服装史の史実に基づいています。ベラのブラウスのパターンは、ロンドンのポートベロー・マーケットで見つけた19世紀の型紙の本から起こし、そこに袖を大きくしたりフリルを足したりといったあれ人事を加え、生地をあえて合成繊維やプラスチックなど現代的なものにするバランスにしました。

(雑誌「装苑 2024/3月号」P34〜35より引用)

映画メディアである「osanai」を運営しながらも、僕は衣装デザインは専門外なこともあり、衣装の必然性について想像を巡らせることが難しかった。

装苑では映画「ゴールデンカムイ」についても丁寧な取材記事がまとめられており、映画を鑑賞する上で新たな視点を得ることができた。

「比類なき衣装たち」。

一般的に、衣装に「たち」と添えることはない。衣装もキャストやアーティストと同じくらい大切な要素であることを気付かせてくれる素晴らしい特集だった。

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これまで、なかなか手に取ることがなかった装苑。ときには、いつものルーティン上にない媒体に触れるのも勉強になりますね。

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