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読書ラジオ振り返り(#111〜120)

読書ラジオ振り返り、今回で12回目です。

今回は2021年9〜10月に収録された分を振り返ります。

創業して1ヶ月、Webサイト「ふつうごと」をリリースしました。コツコツと手を動かす中で、素晴らしい人たちへの取材も行ないました。「編集」ということへの関心が高まってきたタイミングで読んだ本です。

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今回の振り返りも、ぜひお付き合いください。

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#111:半藤一利『歴史と戦争』

今こそ読んでほしいですね。まだ読了していませんが『日本のいちばん長い日』もとても読み応えがあります。

戦争を繰り返す人間は、自然界にとってはノイズかもしれない」という言説をどこかで目にしました。反証することができない事実であり、だからこそ現実に目を背けてはいけないと感じます。

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#112:村上春樹『女のいない男たち』

『ドライブ・マイ・カー』を観て、改めて読み直しました。

映画も素晴らしいですが、原作の価値も当然のことながら減じることはありません。アカデミー賞にも4つの部門でノミネートされるなど、2021年度はまだまだ盛り上がりがありそうです。

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#113:養老孟司『バカの壁』

こちらも、今こそ再読したい一冊です。「見たいものしか見ない」という姿勢は、すなわち「見たくないものは見ない」と同義です。それは人間の傾向ではあるのですが、最近はそれさえ自覚していない社会になっているのではないかと危惧しています。20年経っても古びない、養老さんの提言。近著『ヒトの壁』も早めに読みたいと思います。

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#114:夏目漱石『坑夫』

意識しているわけではないけれど、3〜4年おきに読んでいる本です。育ちの良い主人公が、肉体労働に自ら志願していく話。夏目漱石の小説の深淵さを象徴する一冊です。最近アドラーを読んでいるのですが、もしかしたら主人公は、自ら「暗転したい」と望んでいたのかもと。何度読み返しても、発見がある素晴らしい中編小説です。

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#115:太田啓子『これからの男の子たちへ』

東京五輪が終わっても、ジェンダーギャップや異性への偏見など、日本固有の問題は山積したままです。(何のためのオリパラだったのだろうか)

弁護士の太田さんが「これからの男の子たちへ」というメッセージに込めた想い。加害者になるかもしれないという可能性を自覚することから、ジェンダーの問題は議論ができるんだと思います。

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#116:加藤昌治『アイデア会議』

『考具』で有名な著者ですが、こちらもとても面白いです。

ひとりでなく、チームでどのようにアイデアをころがしていくか。ひとりの会社を創業し、ひとりで仕事することが多くなったからこそ、対話やチームビルディングの重要性に気付きます。組織で仕事するのは大変ですが、組織だからこそできる仕事のダイナミクスを、また経験したいなと思う今日この頃です。

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#117:100分de名著:ル・ボン『群集心理』(2021年9月放送、解説:武田砂鉄)

NHK「100分de名著」を視聴するまで、ライター・武田砂鉄さんのことを知りませんでした。アカデミックな方々が解説することが多いですが、武田さんが見つめるこそ、群集心理の危うさというものが浮き彫りになったように思います。原著も読みました。群衆を嘲笑するのは簡単ですが、もっと大きな「壁」に向き合わないといけないですね。

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#118:武田砂鉄『日本の気配』

#117で『群集心理』に触れた流れで、武田さんの著書も読みました。

アメリカの元大統領・オバマさんが来日したことがありましたが、そのときの様子も、武田さんの視点だとたくさんの「奇妙な演出」があったんだなと。そういったことに気付けなかった自分は、やはり、政治や社会問題といった領域に関心が薄かったんだなと思います。まだ遅くない、これからたくさん勉強しようと思った瞬間でした。

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#119:古賀史健『取材・執筆・推敲』

2021年、最も刺激を受けた本といっても過言ではありません。書くことに対して「書いても良いんだ」と認めてもらえたような気もします。

読んだときの気付きと、その後で実際に取材や執筆を行なった後の気付きは、また全然違うというか。実践を繰り返していく中で、古賀さんが本書で惜しげもなくノウハウや知識を提供してくれているんだなという想いに駆られます。「noteをときどき更新する」というような方なら、読んで間違いない一冊だと思います。

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#120:糸井重里『ほぼ日刊イトイ新聞の本』

Webサイト「ふつうごと」を運営するにあたって、一番参考にしたのが「ほぼ日」です。比べることすらおこがましいのですが、「糸井さんだったらこう考えるんじゃないか」なんてことをたくさん想像しました。本書が刊行されてから四半世紀経つわけですが、やはりこちらも内容は古びません。インターネット黎明期の興奮も、未だ鮮明に蘇ります。

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読書ラジオ「本屋になれなかった僕が」は週2回、各Podcastのプラットフォームで配信をしています。テレワークのお供にぜひお楽しみいただけますと幸いです。

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*おまけ*

過去の振り返りは以下です。

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