見出し画像

読書ラジオ振り返り(#81〜90)

読書ラジオ振り返り、今回で9回目です。

2021年6〜7月に収録された分です。更新が進んでいなかったときに比べれば現在に近付いてきました。

6月末に会社を退職し、7月は創業準備期間でした。ひとりの創業なので、やることが膨大。色々なことを諦めながらも、ちょっとずつ会社作りに奔走していました。(そう言えばまだ名刺も作れていません……)

社会的にも緊急事態宣言が再発令されました。東京都議会議員選挙や東京オリンピック・パラリンピックなど周辺は騒がしかった。精神的なダメージもあり、じわじわと疲弊していたような時期だったと思います。

ということで、今回も振り返りをしてみます。

Apple Podcastの方が再生数は多いのですが、埋め込みからそのまま再生できるのでSpotifyのリンクを貼っていきます。(個別note書いている場合はリンクも貼ります)

──

#81:ロジャー・クルーズ『「皮肉」と「嫌み」の心理学』

「変わったタイトルだな」と思いながら読み始めたら、面白くて止まりませんでした。

皮肉や嫌みが成立するのは、場にいる人たちでコンテキストを共有していること。でないと、ただの「嫌なやつ」になってしまいます。しかしインターネットがコミュニケーションのベースになった場合、言外の意図は伝わりづらくなります。この辺りの分析と考察が興味深い1冊でした。

noteはこちら

#82:さやわか『世界を物語として生きるために』

どんな経緯があって本書を手にしたのかは憶えていないが、ストーリーマーケティングといった小手先の手法を期待する人とは縁遠いものだと言えます。

どちらかと言えば社会(世界)の枠組みの話で。何だかこの社会は生きづらいなあと思っていたときだったので、余計にテキストが沁みました。

noteはこちら

#83:寺尾玄『行こう、どこにもなかった方法で』

ブックオフで見つけたバルミューダ・寺尾さんの著書。バルミューダのプロダクトには常に刺激を受けつつ、寺尾さんが本を出しているとは知らなかったのです。

勝算がない状態で、資金集めに奔走する苦労はリアリティがありました。売れる商品を作るのでなく、これまで世の中にない全く新しい商品を作ること。寺尾さんの矜持に、勇気をもらった気がします。

noteはこちら

#84:温又柔『「国語」から旅立って』

日本、中国、台湾にそれぞれバックグラウンドを持つ温さん。彼女だからこそ気付ける言葉の感性を、とても美しいと感じました。

彼女のような人たちを「マイノリティ」と一律に語るのは違和感があります。ですが、彼女のエッセイを読んだからこそ気付く社会問題もある。芥川賞候補になった『真ん中の子どもたち』も読んでみたいです。

noteはこちら

#85:100分de名著:三島由紀夫『金閣寺』(2021年5月放送、解説:平野啓一郎)

没後50年で改めて価値を見直されていた三島由紀夫。彼の文体に影響を受けた、作家・平野啓一郎さんがNHK「100分de名著」の解説を務めていました。僕の場合は、そこまで三島文学にのめり込まなかったのですが、平野さんが様々な観点から、三島の「読み方」を解説してくれています。

小説は、読者が思いのままに読んでオッケーなもの。ですが、書かれた背景をはじめ、ちょっとした教養が頭に入ることで「面白さ」の観点が増えます。こういった機会が、テレビを通じて気軽に学べるのはとても素晴らしいこと。Eテレの良さを実感します。

noteはこちら

#86:佐々木紀彦『異質なモノをかけ合わせ、新たなビジネスを生み出す編集思考』

世の中に編集者はたくさんいますが、佐々木紀彦さんは編集とビジネスを組み合わせ、世の中にこれまでになかった価値を提示した一人です。佐々木さんが「NewsPicks」を運営するユーザベースを離れ起業するというタイミングで、著書も読んでみました。この「異質」というのがポイントです。これが異質であればあるほど、編集の妙が組みやすくなる。もちろん編集の基礎がないと成立しませんが、情報社会の中で、支持されるメディアになるためには、これまでにない価値を提示しないとダメなんだなと痛感しました。

noteはこちら

#87:渡邊喜一郎『ディズニー こころをつかむ9つの秘密』

コワーキングスペースに陳列されていた本で、休憩中に一気に読みました。僕はディズニーに関する思い入れがなく、実際ここ10年ほど行っていません。

UFJでマーケティングを主導していた森岡毅さんの活躍もあり、ここ数年、テーマパークのマーケティングが取り上げられることが増えているように思います。本書を読んで感じたのは、テーマパークはものすごく多くの関係者がいるということ。それらを束ね、1つのコンセプトを徹底させることは難しいよねと。あれほど長く、人々に支持されるディズニーリゾートは、やはり奇跡みたいなプロダクトなのかもしれませんね。

noteはこちら

#88:宮下奈都『羊と鋼の森』

美しい小説でした。繊細で、冬のような静けさを携えた本書は、調律師という職業の本質を捉えた素晴らしい作品でした。

世の中には、本当に想像もつかないようなたくさんの職業が存在します。今回の調律師のように、知られていない職業もたくさんあります。先日Webサイト「ふつうごと」で取り上げた選挙管理委員会も同様です。職業を理解することで、僕たちが様々な接点を持ちながら社会生活を送っていることを自覚できます。宮下さんの他の作品も読んでみたいと思います。

noteはこちら

#89:谷隆一『中高生のための選挙入門』

色々な波乱を呼んだ東京都議会議員選挙でしたが、その直前にBLOGOSで記事寄稿がかなうなど有難い流れもありました。

東京都議会議員選挙以降の地方選挙では、ことごとく与党が苦戦を強いられていました。菅さんの退陣やコロナ禍の沈静なども影響したのか、野党支持者にとっては苦い結果に。とは言え、この辺りで選挙リテラシーを身につけようとしたことが、僕にとっては政治や選挙に対する視点が変わっていったような気がします。なにごとも興味と知識を持つことは大事です。

#90:内田英治『ミッドナイトスワン』

#84で「マイノリティ」の言及をしました。6月はプライド月間ということで、LGBTQ+の権利について考える機会がありました。

内田さんの『ミッドナイトスワン』は、最初は映画で観ました。草彅剛さんがトランスジェンダーとして生きる主人公を演じたことで話題にもなった作品です。とても美しい映像が、テキストを通じて蘇ってきました。

noteはこちら(映画の方ですが)。

──

読書ラジオ「本屋になれなかった僕が」は毎週月曜日8:00と、毎週木曜日16:00に各Podcastのプラットフォームで配信をしています。(ときどき配信が遅れます、ごめんなさい!)

ぜひフォローもしていただけると嬉しいですし、取り上げてほしい本があれば、こちらからリクエストをお願いします。

*おまけ*

過去の振り返りは以下です。

#ラジオ
#読書ラジオ
#podcast
#振り返りnote
#本屋になれなかった僕が

この記事が参加している募集

振り返りnote

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。