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読書ラジオ振り返り(#101〜110)

読書ラジオ振り返り、今回で11回目です。

前回から間が空いてしまいましたが、今回は2021年8〜9月に収録された分を振り返ります。101回目の配信になりBGMを変えたのも良い思い出です。(それくらいしか思い浮かびませんでした)

前回同様、創業直後のタイミングだったこともあり、なかなか読書ラジオに集中できなかったような気がします。

デルタ株の感染拡大に加え、僕自身がワクチン未接種だったので、不安を抱えながら日々過ごしていた記憶があります。

配信した本を見直すと、当時の心境を反映していると言えなくもありません。振り返りをすると、自分がこれまで気付かなかったことも見えてくるから面白いです。

ということで、今回の振り返りです。

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#101:原田マハ『〈あの絵〉のまえで』

ずっとカロリーの高い本を読んでいたので、ひと息つくために小説を読みました。原田マハさんの小説は読み応えがあるものが多いのですが、こちらは6篇の短編集。読み終えるのは難しくありませんが、肩の荷を下ろすように、1つずつ楽しみながら読みました。

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#102:ジム・コリンズ『ビジョナリーカンパニー3~衰退の五段階~』

このときはモロに政治不信を感じていたときでした。菅内閣が機能不全に陥り(というように見えた)、一発逆転で支持率を盛り返そうという意図が分かりやすく露呈していました。『ビジョナリーカンパニー3』は過去作に比べると評判は低めですが、危機的状況のときに何をするか、何をしてはいけないかが書かれています。誰にとっても「備えの書」となる一冊です。

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#103:ハル・グレガーセン『問いこそが答えだ!』

創業した会社は、株式会社TOITOITOといいます。問いこそが答えだ!というメッセージに共感したわけではなく、ずっと前から社名は決まっていたのですが、改めて「問い」が持つ力の大きさを感じられる一冊でした。方向性や行動規範をきっちり定めるMVVは、それはそれで有効ですがどこか窮屈です。仲間に、社会に問いを投げるような余白こそ大事にしたいと思います。

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#104:乙武洋匡『社会不満足』

2014年の社会問題を、識者との対談という形でまとめた一冊です。状況が改善したものもありますが、識者が抱える問題意識の源になる部分は、今なお普遍性が維持されていると言えます。お薦めは福島学を語る開沼博さん。他の対談相手よりも、よりマクロな視点で震災を語っています。

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#105:ヤマザキマリ、中野信子『パンデミックの文明論』

文明論というには少しカジュアルですが、パンデミックを捉える上で、色々な立場の見解をインプットするのは大事なことです。イタリアに家族と住んでいるヤマザキさんと、脳科学者として研究している中野さん。本を読みながら「彼らの話を立ち聞きしてるみたいだな」と感じていました。

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#106:pha『どこでもいいからどこかへ行きたい』

毎年8月31日には、#8月31日の夜に というテーマで文章を書いています。2021年はphaさんと柴崎友香さんの本を選び、自死を選択することの意味について考えていました。僕は昔から旅(のようなもの)が好きでした。自らのストレス発散に繋げていたんだと思います。コロナ禍でそれがなかなかできないのですが、ときどき非日常を訪ねるということをやってみると良いかもしれません。詳しくは↓のnoteでも書いています。

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#107:柴崎友香『また会う日まで』

人生は、必然なのか偶然なのか。どちらの見方も間違いではないけれど、たらればの分岐点で別の道をいっていたら、きっと違う世界線を辿っていたんだと感じます。今の妻と会わない人生はどうだったんだろう?SFCに行かずにマスコミにしれっと就職していたらどうなっていたんだろう?思いを虚空に馳せてみると、なんだか今の人生がとてつもなく愛おしく感じます。

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#108:大木聖子『地球の声に耳をすませて』

9月の防災の日にあわせて、地震学者の大木聖子さんの著書を読みました。中学生向けの本ですが、専門的なことがけっこう書かれており、初めて知ることも多かったです。人間は「自分だけは大丈夫だろう」という正常性バイアスを有しています。なんとなく、でなく正しき知識を得ることで、非常時に確かな判断ができるよう備えておきたいものです。

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#109:100分de名著:アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』(2021年8月放送、解説:沼野恭子)

心臓にグンと重しになるような一冊でした。2021年は映画「日本のいちばん長い日」「ある戦争」など、戦争に関する作品を意識的に観るようにしました。

そういえば、僕はなぜ、いま戦争を知らなくてはならないと思ったのだろう。その辺りの言語化もちゃんとしておこうと思います。

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#110:篠田英朗『紛争解決ってなんだろう』

紛争とは、武力紛争に限るものではない。というのが新鮮な発見でした。詳しくは言えないのですが、2021年はちょっとした紛争に巻き込まれていました。当事者というわけではなかったのですが、巻き込まれたことによって、社会はいたるところに紛争が起きているんだなと気付きました。

この本は「紛争解決するためには?」ではなく「紛争解決ってなんだろう?」という問いのタイトルです。読み終えて、とても真摯で素晴らしいタイトルだなと感じました。ぜひ広く読まれてほしい一冊です。

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読書ラジオ「本屋になれなかった僕が」は週2回、各Podcastのプラットフォームで配信をしています。テレワークのお供にぜひお楽しみいただけますと幸いです。

火曜日と金曜日に配信することが多いですが、ときどき配信が遅れることもあります(ごめんなさい!)。番組のフォローもお願いします!

*おまけ*

過去の振り返りは以下です。

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