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ミケの ニャンダフル・ライフ ~ 帰ってきてたんだね

この手の話を、鼻っから信じない方には、何の意味も無い話です。
どうぞ、お通り過ぎください。
しかし、判る人には、きっとわかる話です。

ちょうど一年半前、うちの庭で、野良猫が二匹の仔猫を産んだ。
三毛猫と、茶色のさび猫。

考えた挙句、この二匹の親猫や、父ちゃんとおぼしき野良猫を、捕獲して不妊手術を受けさせる計画を立てた。
その上でトイレを設置し、エサを与えた。

5月頃生まれた二匹は、その後、順調に育ち、親猫たちも苦労はしたが、捕獲した上で不妊手術を受けさせた。

毎朝、午前5時過ぎにドアを開けると、猫たちは待っていて、エサをねだりに玄関に入ってきた。
その中の、三毛猫だけは、なぜかエサをねだるというより、毎朝私の脚に、文字通り「しがみついて」きた。体をいっぱいに伸ばして、私の脚にしがみつくのである。
その時は、「人懐こい猫だな」ぐらいにしか考えていなかった。

11月になり、そろそろ仔猫の二匹とも不妊手術させないとなどと考えている頃だった。
ある日、仔猫の内、茶色のさび猫が、大怪我をしてしまった。
「安楽死?」を考える程の大怪我だったのだが、その時病院に連れて行って、手術後に面倒を見ることから、茶色のさび猫を家の中で飼養することになった。
そして、三毛猫の方も、不妊手術させた後、「たった二人きりの姉妹だから」ということで、そのまま家の中で、二匹を飼養することにした。

さび猫は、後ろ脚一本を切断することになるも、その後の長い療養暮らしをよく耐えて、今では二匹で元気よく駆け回るまでに回復した。


そして、偶然であるが、ちょうど茶さびが大怪我をした日から一年後の日に、息子とNHK-BSで録画していた「僕のワンダフル・ライフ」という映画を録画であるが、観ていた。

物語は、親愛で結ばれた飼い主の少年と再会したいと願う犬が、何回かの犬生を経て、成人した元の少年との再会を果たすというもの。

不思議なことは、その時に起こった。

ネタバレになるので恐縮だが、物語もクライマックスで、犬が昔の自分であることを、大人になった主人に伝えようとするシーンになると、いつの間にか、三毛猫のミケが、やってきていて、画面の前に座り、画面の中の犬を食い入るように見つめだした。



まぁ、以前にも画面に猫が出てきた時に、同じような仕草をしていたこともあったので、おそらく猫と似ている犬の動きに興味を持ったのだろうと思っていた。
しかし、長い。いつまでも離れない。
字幕が読めないので、抱えて台の上から降ろした。

しかし、そのテレビの前の床の前に座って画面をずっと見ている。
映画が終わって、クレジットの画面になっても、ずっと目を離さない。

息子がWCに立った。
私の脳裏に「もしかして!」という思いがよぎった。
ミケは、毎日、時折仕事をしている私の足元に来て、体を伸ばし、「ねぇ」というように、私に腕辺りにしがみつく。一日に何度も。
エサをねだっているのかと思って、エサをやっても食べないことが多い。
何をねだっているのか、正直わからなかった。

「お前は、もしかして、ひん太(3年ほど前になくなった私の馬)なのか?」
私は、そう話しかけ、名前を呼びながら体をさすってやった。

ミケは、安心したように、その場でうずくまって眠った。


WCから戻ってきた息子が、その姿を見て、「満足した顔してるね。まるで人間みたいだ」と言った。

ミケは、数時間眠りから覚めなかった。


そうか、気付かなかったけど、ひん太、帰ってきてたんだね。



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