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少女の日記としてではなく、一人の人格ある人間のものとして「アンネの日記 増補改訂版(文春文庫)」を読む ⑭ 他から思われているほど傲慢でも自分勝手でもなく、己をとらえている


(前略)
わたしはお金持ちでもなければ、財産に恵まれているわけでもありません。美人でもなければ、聡明でもなく、頭が切れるわけでもありませんが、それでも幸福ですし、将来もきっと幸福になれるはずです。
わたしは生まれつき快活な気性で、人間が好きです。
猜疑心も持ちませんし、だれもがみんなわたしとともに、幸福になってくれればいいと願っているのです。
心からあなたのものなる、
アンネ・M・フランクより

アンネの日記増補新訂版 p414

***

「隠れ家」に潜伏していたアンネ以外の7人のうち、少なくとも6人は、アンネに対し、「子ども扱い」するという差別行為を行っていた。
その内、母親とデュッセル氏(日記上の仮称)は、その度合いが酷かった。
アンネがしばしば、「生意気」だとか「傲慢」と捉えられるのは、その差別に対する反発であり、人として当然のことであろう。

しかし、彼女はひとりの人間として、かくもストイックに自己をとらえ、また未来に希望を託していたのだ。



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