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【馬の特性】知性の高さを垣間見る

タロウさんとルーカスを迎えて、7回目の春を迎えます。
この2頭と接していて、いつも感じることですが、馬はほんとに知性が高い動物です。下の動画を見てください。(30秒くらいです。)

毎年決まって、春のこの時期になると、里のカラスたちが巣作りを始めるのですが、動画のカラスの一族だけは、厩舎周辺に落ちている乾草や藁だけではなく、馬房の中にまで飛んで入っていって、ウマの寝藁やタロウさんとルーカスのたてがみや尻尾の毛までも使います。

3回目の春には、カラスが馬の背に止まって毛を抜いていることに気づいていたのですが、スマホを向けるとカラスが飛んでいってしまいます。
今年、7回目の春にして初めて撮影に成功しました。

ルーカスは尻尾の毛を抜くカラスの行為を受け入れています。
うるさがるでもなく、尻尾で追い払うでもなく。
心なしか、時折、カラスが尻尾の毛を取りやすいように姿勢を変えているようにも見えますね。
カラスの鋭い爪で尻の上を歩かれたら、チクチクしているはずなんですが。

自分を必要としている相手に、手を差し伸べる。
相手の立場に立って、何かをする。
相手に見返りは求めず、対価も期待していない。


この行為、一言で言うと「布施」なんですね。
誰かに教わってやっているのではなく、自分の意志でこの状況を受け入れて対応しています。
馬のこの特性、つまり「他者に施すことが自然にできる高い知性」を知っていれば、乗馬のしかたも、一緒にいる時間の質も根本的に変わります。

一般的にいって、カラスの巣作りにとって、ウマの毛は必須の物というほどではないでしょう。
でも、この動画のカラスの一族は毎年当たり前のように、ウマからたてがみや尻尾の毛をもらっていきます。

ウマの尻や背中に乗って、ちょっと遠慮気味ではあるけれど、それでも強い意志をもって、必死にウマのたてがみや尻尾の毛をついばむカラス。

ここ数年、タロウさんとルーカスのところに来るカラスを観察していると、親から子へと知識と経験が受け継がれているように感じます。
生まれたカラスのひな鳥は、自分の巣の臭いから材料を識別しているのかもしれません。だから自分が大人になったら、同じ材料を探すのではないでしょうか。

ウマはウマで、毎年、自分たちの毛をもらっていくカラスを良く知っているのかもしれません。私たち人間にはカラスの個体識別は困難ですが、ウマは毎年毛をもらいにくるカラスたちに、「今年も巣作りの季節になったね。」とか、ウマの毛で作られた巣から、その年に生まれた子ガラスたちに「大きくなったね。」とか、話しかけているかもしれません。

おわり

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