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耐久性の高いUI

初めまして、WHITE Inc. イノベーションデザイン局の細谷です。

今回、WHITE Service Design Blogが立ち上がり、
私たちが日々やっていることや考えていることを発信していくということで私は自分が好きなプロダクトについてUI/UX視点でお話させていただこうと思います。

torne(PlayStation3)

言わずと知れたPlayStation3上で動くHDDレコードソフト"torne"
発売日は2010年3月18日と8年以上経過しても使いやすく、個人的にこれ以上に使いやすい映像再生系のソフトと出会ったことがありません。

発売年のCEDECでは「torne(トルネ)のUIでこだわった19のポイント」というセッションがあったくらいコンセプト段階、開発段階から非常に練られていたプロダクトだったことが伺えます。http://cedec.cesa.or.jp/2010/program/GD/C10_P0132.html

その時の様子は下記サイトの方が詳しくまとめられています。

(PS4+nasneにすると、スマートフォン上で視聴できたり、もっと便利になるのですが、我が家ではいまだにPS3が現役のため、PS3+torneという最小構成での話になります。)

ソフトウェア発想の勝利

発売当初、BS/CS対応していないことや、BD/DVDに焼けないなど、他のレコーダーと機能としてはビハインドを背負っていたtorne。
しかし、高速なUIを筆頭にポータブル機との連携、ネットワークを使った人気指標などオンリーワンの切り口で話題になっていました。

それは大前提として、BDレコーダ/HDDレコーダ/TVと比べ積んでいるCPUが桁違いであり、その性能により高速なレスポンスを実現し、
その他のレコーダーでは処理できないようなインタラクション・UIを実装できたというソフトウェア発想の勝利があります。

また、リモコンではなくゲームのコントローラを利用できることので、ボタンを組み合わせたショートカットで慣れれば、手元を見なくても操作できるのも大きな魅力です。

連続再生がワンアクションで

シリーズ物を一気見するときに便利な連続視聴モード。
ビデオを複数選択すれば、次々と再生 > 終われば最初の動画に戻る。
同じシリーズなどの縛りがいないので、一週間溜まった録画を見るときや、
家事の合間に子供をあやすために5分番組を連続で流したいときにも非常に便利。

また次の動画に移る操作がR2+左スティック右へと慣れてしまえば、手元をみなくてもできるので、もういいかなっと思った瞬間にコントローラを手に取り次の動画へ行くことができるのも、非常に使いやすい


次に見たい場面を探しやすい"シーンサーチ"

他の動画再生ソフトにはないtorneの特徴である「シーンサーチ」
動画の再生中に□ボタンを押すと起動するこの機能。
サムネイルを見ながら次に見たいシーンを選択することができる。


十字キーの上下で15秒/30秒/60秒/2分/5分とスキップする量をコントロールすることできる。

アニメのOPは15秒×6の90秒で制作されており、CMに関しても基本単位は15秒となっているので、この15秒というのがテレビ番組の見たいところだけをみるにはちょうど良い。

ちょっとだけ困ったこと

私は基本的にコントローラを持ったまま視聴はしないので、
視聴 → 場面が変わる → スキップしたい → コントローラ取る → 操作
と操作するまでにラグが出てしまい、そのまま15秒ずつスキップすると
見たいシーンの冒頭が欠けるか、ラグ分のスキップしたい場面をみることになってしまいます。

そこで最初の15秒のブロックを14秒程度にすればラグ分をその1秒が吸収できるようになり、ますます快適になるんじゃないかと思ってます。

まとめ

torneに関して、どこが一番優れているかと言うとゲームマシンの1ソフトウェアとしてレコーディング機能を制作した点だと思っています。
処理能力の高いCPUのおかげで表現の自由度が広がり、ユーザーにとって非常につかやすく、ソフトウェアであるからこそ発売から8年以上たった今でもアップデートを繰り返し、古さを感じさせない、耐久性の高いUXとなっているのではないでしょうか。


次回予告

今回はtorneのUX/UI周りについて、
自分が好きなところを中心に書かせていただきました。
次回はiPhoneのブラウザについて書こうかと思っています。
(Safari? Chrome? 第三の選択をしてみませんか?)

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