J-POPレビュー #3 カメリアダイヤモンドCMソング7選(前編)

前回は王道を取り上げため、次は今さら取り上げないようなニッチな話題もひとつ。三貴グループのCMソングである。ここでは便宜的に三貴グループの顔であるカメリアダイヤモンドで呼称を統一する。

会社については、Wikipediaを読んだほうが早いので以下の通り。3ブランドあるが、最もネームバリューがあるのがじゅわいよくちゅーるマキでお馴染みのカメリアダイアモンドである、そういった事情から三貴グループのCMはカメリアで一括りにされることが多い。


当時は録画した深夜のテレビ番組で偶然流れていた程度でCMの印象自体はそこまで強くなかったが、今CMを改めて見てみると、90年代にして商材が商材なだけに(そりゃ景気良さそうな雰囲気出さないと購買意欲はわかない)、何とも言えないバブルの香り!そしてCMソングは時代を彩ったアーティストが多く手掛け、また名曲揃いの宝石箱と言ったところだろう。"カメリア族"のブランド力は絶大であった。
2000年代にも浜崎あゆみ等が起用され、ブランド自体は生き残ったが以前のような威光はなかった。80年代については全くリアルタイムではないが、曲も大ヒットしている曲も少なく感じる。やはり、ピークは好景気から衰退に向かう、まさに会社の転換期となった90年代であろう。
何十年とオンエアされ、何十曲とあるCMソングの中から90年代に放映された、今の時代に聴いてほしい7曲を2回に分けて挙げていきたい。20年以上も昔の曲なので、今となってはさすがに聴かれなくなった程度のヒット曲も含まれる。

1.「危険な女神」KATSUMI(1990)

オリコン最高位26位。ルックス、ファッション、曲調…まさに時代の申し子と言える90年代初頭の人気アーティスト。リアルタイムでは全く知らないが、チャートアクション的にはアルバムアーティスト。「Just time girl」「It's My JAL」などタイアップによるヒット曲が多いが、当時は珍しい、アルバム曲もタイアップ曲だらけなアルバム型アーティストである。
情熱的なボーカルで歌われるこの曲は伸びやかな高音に、とにかくオケが時代を感じる音を多く使っている。90年代初頭を知りたいならKATSUMIを聴け、と言っても決してオーバーな表現ではないくらいに、バブリーでゴージャスなエッセンスを曲に詰め込んでいる。畳み掛けるサビの最後を聴く度にラッツ&スターの「め組のひと」を思いだす。

2.「You And I」中西圭三(1993)

「Choo Choo Train(ZOO)」や「Timing(ブラックビスケッツ)」を手掛けたことでお馴染みで、自身は同タイアップの「Woman」をヒット曲に持つ。それに次ぐヒット曲で、この曲が収録されたアルバムで初の1位を獲得した。前項のKATSUMI同様に高い音域を持つボーカルが特徴だが、非常に歌詞の発音がはっきりしている。
この曲についてはBメロがらしさ炸裂でサビのキーは抑え目だが、その落ち着きこそがまたアダルトな雰囲気が醸し出されタイアップにマッチしている。最後のサビの転調後は中西圭三節全開、「ホーゥデュータアーアーイ」「ユーゥエンッダァーイ」という自由奔放な英語の発音がつい真似したくなるポイント。歌唱力があれば持ちネタにしたかった。


3.「永遠の一秒」田村直美(1994)


オリコン最高位10位。次のシングル「ゆずれない願い」でミリオン歌手となった田村直美のスマッシュヒット曲。この曲以外に「Us~空と大地の間で~」でも同タイアップを担当。特徴的な声質と高音域が特徴であり、CDバブルのこの時代はハイペースでシングルをリリースし、軒並み上位にチャートインさせた。
この曲の凄みは他の曲以上に破壊力抜群のキーの高さ。サビ頭の一音目のキーがこれだけ高い曲は聴いたことないし、その音をしっかり当てられる技量はプロの仕事。ただ、夜中に急にこの曲がかかると若干心臓に悪いと思われる。CMソングとしてのインパクト大。イントロの重厚感もCMには関係ないが普通にかっこいい。

3曲だけでも、まさに当時のトップアーティストと断言できるラインナップであり、またその時代だからこそ輝いたという側面も強い。Youtubeで検索すると、懐かしのCMとしてカメリアダイヤモンド・ブティックJOY・ファニイ3ブランドのCMは大量に出てくるため、興味のある方は動画検索を。90年代のJ-POPファンだけでなく、懐かしいCMが好きな方面の方にも楽しめる内容となっている。

残りの4曲は後編に続く。


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