ハチマキの現実逃避

いつも頭に何してんの?だと?
照れくせえこと聞くなよ。
これには理由があるんだよ。

小五の運動会ん時クラス別対抗リレーで
俺の前に走った蓉子ちゃんが俺にバトン渡した瞬間彼女は言った。
「はい、はちまきの似合う葉地まきくん!」
彼女の光る汗と、何ともすごい急いで発した言葉に俺は感動した。そして走った。
喜びとハチマキパワーのお陰でな。思った以上に速く走ることができたんだ。
すっかり俺は舞い上がって、とうとう本当に空を舞い上がった。
この日俺は蓉子に恋心を抱き、ハチマキに愛着心を抱いた。

それ以来だ。ハチマキが俺の甘い恋と、気合の証拠品となったのは。
毎日つけてりゃ恋も来い来い、運も来たれり、ついでに春もきたぜってんだ!
も一つおまけに江戸っ子魂炸裂、ハチマキきゅっと締めて俺は「ちまき」をこさえている。

へいらっしゃい!「ちまき」はどうでっか!?

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