マンチェスターとサッカーの歴史
前回の記事では、自分が現在暮らしているマンチェスターの特徴について調べてみた。
今回の記事では、その中でもサッカーの文化に焦点を当ててみようと思う。
2つのビッククラブ
イギリスはご存知の通りサッカー発祥の地だが、その中でもマンチェスターはサッカーが盛んな地域。なぜなら、世界的にも有名な二つのビッククラブが存在するからだ。
それがマンチェスター・ユナイテッドFCとマンチェスター・シティFC。
両クラブはともにプレミアリーグを代表する強豪であり、「マンチェスター・ダービー」と呼ばれる両チームの対戦は世界的に注目を集めている。
近年はマンチェスター・シティの躍進が目覚ましいものの、歴史と実績ではマンチェスター・ユナイテッドが上回る。
ライバル関係にあるこの2クラブの人気は、マンチェスターのみならず世界中で非常に高い。
13年ほど前イギリスに渡航したことがあるのだが、その時はまだまだマンチェスター・ユナイテッドFCの天下。
マンチェスターと言えばユナイテッドが思い浮かぶ人も多く、アレックスファーガソンという名将の元、躍進を続けていた。
日本人選手として、過去トップクラスの実績を誇る香川選手もこのチームに所属し、ファーガソン監督の元でプレーしていた。
しかし同時に、このタイミングで徐々にシティが力をつけてきており、近年の実績ではマンチェスターシティが上回っている。
昨年も、チャンピオンズリーグと呼ばれるヨーロッパNo1クラブを決める大会含め、三つのタイトルを獲得したのだ。
このように、両チーム共にそれぞれ素晴らしい実績があり、世界中にファンがいる。僕自身も、過去シティの試合を三度、ユナイテッドの試合を一度、それぞれスタジアムで見たことがある。
現地で観戦する試合の熱気、サポーターのパワーは言葉では説明し難いものがあり、サッカー好きでもそうでなくても、一度は足を運んでみると面白いと思う。この国にとって、サッカーとは文化なのだなと思わせてくれる。
そして、そのエネルギーが自分にとってはとても心地良い。人間の原始的なパワーというか、野生味あふれるエネルギーというか。そうしたものをビシビシと感じて元気になってくる笑
観戦チケット入手方法
もし試合を現地観戦したい人がいれば、それぞれのクラブのメンバーシップに入るのがオススメ。
(参照例)Manchester City Memberships
メンバーシップに入らずチケットを買おうとすると、転売サイトなどで購入することになるため、通常より高額になる。
入手しにくいチケットであればそうせざるを得なかったりするが、通常であれば、メンバーシップに入って購入した方が圧倒的に安い。
また、詳しい人からの情報によると、シーズン前に先行チケット販売があるとのこと。
シーズン開始の2週間前頃にメンバーシップに入ると。人気の試合でもチケットを比較的取りやすいそうだ。
ということで、二つの人気クラブについて書いてきたのだが、そもそもなぜ、この地域にサッカーが根付いていったのかについても触れてみたい。
サッカーの歴史とマンチェスター
サッカーの歴史について語りたいこと色々はあるのだが、ボリュームが長くなってしまいそうなので、AIに任せることにする笑
サッカーの歴史は、ざっくりいうとこのような経緯を辿っている。聞いた話によると、当初のサッカーはゴールからゴールまでの距離が異常に遠く、殴る蹴るなども普通にあったらしい。
野蛮だ笑
1863年にロンドンでルールを統一する協議が行われ、「手を使ってはいけない」ものがサッカーという形に定義されたわけなのだが、実はこのタイミングで、とあるスポーツがサッカーから分離している。
皆さんはそのスポーツが何かわかりますか??
チッチッチッ
チッチッチッ
チッチッチッ
チッチッチッ
チーン!!
そう!正解です!その分かれたスポーツこそが、、、
ラグビー!!
ラグビーとサッカーは元々ルーツが同じスポーツ。しかし、以下のような経緯で別々のスポーツに分離したのだ。
このような経緯となっている。
なお、1863年のルール統一会議でのラグビー派の離脱が、サッカーとラグビーの分離の決定的な出来事となり、それぞれの競技が独自のルールと組織を発展させていくことになった。
二つのスポーツのルーツが同じであると知っていた人は意外と少ないのではないだろうか。
それにしても、試合中にボール持って走り出したウィリアム・ウェブ・エリス、小さい子どもみたいでなかなかユニークだなぁと思ってしまう。
当時のフットボールは統一されたルールがなく、地域や学校によって少しづつルールが異なっていたそう。
その中でも、ラグビー校ではボールをキャッチするなど、一時的にボールを手で扱うことは許されていたものの、ボールを手で持って移動することは禁じられていたとのこと。
しかし、エリス少年はそれを破ったのだ笑
自分は小学生のサッカーコーチなどもしていたので、小さい子どもがボールを抱えて脱走するシーンは何度も見たことがあるのだが、それがラグビーのルーツというのはなんとも面白い。
イノベーションは、ルールからの逸脱や子どものような遊び心から生まれるのかもしれない。
ちなみに、ラグビーワールドカップの優勝チームに贈られる優勝カップ。その名称は「ウェブ・エリス・カップ」というのだが、この名前に何か見覚えはないだろうか?
そう!
それこそが、ラグビー校で初めてボールを持って移動した少年「ウィリアム・ウェブ・エリス」。彼の名前がこの優勝カップの由来なのだ
さらにラグビーの名前も、先ほど出てきたイングランド中部の都市「ラグビー(Rugby)」にあるパブリックスクール「ラグビー校(Rugby School)」に由来する。
何事も起源を調べてみると面白いエピソードが色々とあるものだ。
その後、ラグビーとサッカーは、それぞれ異なる層の人たちの間でプレーされるようになる。
あまり階級がどうのこうのとは言いたくないのだが、歴史的に見るとこうした背景があるそうだ。
マンチェスターは産業革命の中心地でもあったので、労働者階級の娯楽として広まっていったと想像できる。
歴史を知ると、スポーツマンシップや規律を感じる気品あるラグビーと、若干荒っぽくて野蛮なサッカーの違いについて、解像度が上がる。
ちなみに、皆さんはどちらが好きですか?
どっち派ですか?
ちなみに僕は、紳士のような気品あるラグビーに憧れつつ、人間味あふれる原始的な欲望剥き出しなサッカーが好きです笑
サッカーが市民生活に与える影響
ということで、話がだいぶ逸れてしまったが、このようにしてサッカーは発展してきたわけだ。
1888年にはフットボールリーグが結成され、リーグ戦が開始されたのだが、1880年代には既にマンチェスターでもサッカークラブが誕生していた。
以降、二つのクラブを中心として、サッカーが文化としてこの街を支えている。色々見てまわったりする中で、以下のような街の特徴を感じた。
さらに、サッカーを目的として来ている人も多い場所なので、基本的にコミュニケーションでサッカーが使える。
そのおかげで、今のところ現地の人だけでなく、どの国から来た人とも話題に困らず、話すことができている。
ありがとう!!!!
サッカーは言語だ!!!!
例えばシティは、日本のアサヒビールの「アサヒスーパードライ」とオフィシャルビールパートナー契約を結んでいたりする。
それもあって、昨年は日本でマンチェスター・シティのツアーが行われたりもしていたのだ。
上に書いたように、パブでは様々な人たちが入り乱れてサッカーを観戦していた。
サッカーを通した異文化交流であり、コミュニティの結束が高まっていく。そんな力を確かに感じた。
社会制度と合わせて、この地域を支える大きな土台となっているのは間違いない。
このように、マンチェスターでは、サッカーが単なるスポーツを超えて、市民の生活や文化、経済と密接に結びついている。
歴史を知った上で、現在のマンチェスターの街の様子を捉えると、サッカーを軸とした多角的な魅力が一層浮き彫りになってくる。
到着してまだ一週間だけど、自分はこの街が好きかもしれない笑
おまけ
サッカー関連の観光スポットをいくつかご紹介!
・オールド・トラフォード(ユナイテッドの本拠地)
・エティハド・スタジアム(シティの本拠地)
※それぞれ見学ツアーなどあり
・国立フットボール博物館(歴史的展示や体験型アトラクションがある)
・サッカー選手ゆかりの場所(ジョージ・ベストの壁画、ボビー・チャールトンの銅像など)
・街中のスポーツパブ(基本ほとんどのところでサッカー中継を見られる)
当初はスタジアム観戦記を書く予定だったのだが、脱線しまくって結局書けなかった。。
現地の人々の声とか様子も載せたいので、サッカーについてはまた別の記事でも書きます。
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