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リリースって大切だよね

お久しぶりです。
もう一年遊べるドン(無職)のマーモットです。

長い時間が空きましたが今回は投球のリリースについてです(厚顔)。
リリース時に指がどのような形であればボールに強い力を加えられるのか。そこを焦点にしてお話したいと思います。「指先で波を作り出す」とか意味分からんことは言い出さないのでご安心ください。

まずは以下の二枚の画像①②をご覧ください。見ていただきたいポイントは指の使い方なのですが、どちらの方がボールに力は加わるでしょうか。

⒞などの記号は無視してください。

↓答えは下に書いてあります。







正解は①です。
①であれば、リリース時に指が屈曲しているためボールにより強いトルクを加えることができるからです。
②は従来では綺麗なバックスピンがかかる正しいリリースとされていました。しかし、昨今では②のリリースは撫でるようなリリースとしてボールに力が加わらない不適切なものとして扱われています。また②のようなリリースをしようとすると、いわゆる「肘抜き」のような投げ方になってしまう傾向も見られます。

雑記:肘抜きだから②のようなリリースになるのか、②のようなリリースだから肘抜きになるのかは分かりません。卵が先か鶏が先かみたいな感じですね。

現にプロ野球選手もリリース時は指が屈曲している選手が多いです。

なぜリリース時に指が屈曲していると良いのでしょうか?その理由として重要になってくるのは深指屈筋という前腕から指先にかけて繋がっている筋肉です。


青が深指屈筋


深指屈筋は指を屈曲させる(=曲げる)筋肉なのですが、これは遠位指節間(手指の第一関節)を屈曲させる働きを持っています。そのため深指屈筋が働いて指先(第一関節)が屈曲することで、ボールが手から離れる最後の瞬間まで力を加えることができるということになります。
実際に深指屈筋が強く働くことでリリース時の角速度が上昇するという(もしくはそれを前提とした)研究もあるようです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/52/1/52_1/_pdf

http://oshiro.bpe.es.osaka-u.ac.jp/thesis/master/2013/yokohata.pdf

冒頭でご覧いただいた②のようなリリースになってしまうと、深指屈筋だけでなく浅指屈筋(PIP関節・第二関節に働く筋肉)も使えなくなってしまうので最後までボールに力を加えることができなくなってしまいます。

この深指屈筋を効果的に使えるようになるためには、まずは適切なリリースを覚えましょうということになります。最初は投げにくいと思いますが、根気強くリリース練習をしましょう。指先のイメージはフック船長です。

左手はピーターパンに切り落とされたそうで

しかも切り落とされた左手をワニに食べさせられたとのこと。これがDisneyの公式に書いてあるってマ?

その次に前腕(深指屈筋&浅指屈筋)のトレーニングをして、より強い力を加えることができるようにしましょう(トレーニングの紹介は後述)。前腕の筋力なんてたかが知れているので、水の入ったペットボトルのような1㎏程度のものがあったら上等でしょう。僕が幼き頃は湯船の中でバシャバシャやっていましたよ。

雑談:というか握力なんてトレーニングをしてれば身につくと思うんですけどね。シャフトを使ってれば自然と握力のトレーニングにはなるんじゃないですかね。だからボールを握るよりシャフトを握れ。

ではまずは適切なリリースの覚え方です。
最初は「ボールの中身(コルク)に強い力を加える」というイメージを持ちましょう。以下の画像の赤丸の中です。実際にボールに触れているのは表面(皮革)のところですが、ここに力を加えようとすると撫でるようなリリースになってしまいます。ですので、ボールの表面ではなく中身(コルク)に力を加えるようにしましょう。

イメージが付いたら、実際にリリースをしてみましょう。大切なのはピンチです。ピンチとは握力を構成する要素の一つなのですが、握力はピンチ・クラッシュ・ホールドの3つで構成されています。それぞれ簡潔に説明をば。
ピンチ…指先でつまむ力
クラッシュ…手全体で握る力
ホールド…掴んだ状態を維持する力
こんな感じです。よく握力として計測されているのはクラッシュですね。

前述の通り、リリースで特に必要になるのはピンチです。指先のつまむ力が大きければ大きいほどボールに掛けられる力が大きくなるので、ぜひともトレーニングをして鍛えてください。鍛え方はネットで探せばいくらでも出てきます。

https://alltime-fitness.com/1837/


というわけで、今回はリリースについてのお話でした。投手に限らず、野手でも必須のスキルとなりますので是非とも練習してみてください。

雑談:DriveLineが注視しているリリースの回内(Pronation)・回外(Supination)・中間(Middle)タイプというものがあります。

一般的に、回内タイプは回転効率が90%を超えることが多く縦変化の球種を投げやすいとされる一方、回外タイプは回転効率が90%を下回ることが多く横変化の球種を投げやすいとされています。近年流行りの「スイーパー」は回外タイプの方が投げやすいとも言われていますね。「回転効率なんて測る機会がないよ…」という方は、変化球は縦横のどちらに曲げやすいかを試してみれば何となく見えてくるのではないでしょうか。
このタイプは良し悪しの話ではなく、自分が投げやすいリリースの形を知るためのものなので、自分のタイプを理解したうえでどのようにリリース局面を迎えるかを決めてください。その中で、本記事の情報が参考の一助になればと思います。

【参考】


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