マガジンのカバー画像

お題『時計』2023.06.08

9
お題『時計』 *どなたでも参加歓迎!! *晒して楽しい、晒されて楽しい!Win-Win なマガジン♪ *ご利用になる際は、著者の規約に従ってください。規約がない場合でも、自作… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

<お題:時計>音声アーカイブstand.fm

*stand.fmの右下▶️ボタンを押してから記事をタップ!読みながら聞けますー!  スタエフのアプリには、タイムスタンプもあるよー! ▽お題企画『時計』・刻むもの/Seiji.Resonance(作者さまプチインタビューありますっ!) ・発明/Danzig(作者さまプチインタビューありますっ!)

【ショートショート】時間よ止まれ

時間よ止まれ 俺は悩んでいた。 この人生最大のチャンスをどう活かそうかと・・・ 「ねぇ、気持ちは分かるけどさ、そろそろ決めて欲しいんだけど」 「もう少し待ってくれよ、折角なんだからさ」 「あぁ~あ、変な人に拾われちゃったなぁ・・・」 俺は一カ月前、海で奇妙な形の壺を拾った。 下の方はでっぷりと太く、上に行くほど細くなっている、まるでアラビアンナイトの物語に出て来そうな奇妙な形の壺。 何処(どこ)からか流れ着いたであろうその壺には、硬く栓がされており、封印のような紙

『時間ってやつは……』

好きな時計……砂時計。 小さいけど ひと粒ずつ個性がありそうな砂たちが 細いくびれを少し渋滞しながら でも、滞る事なく流れ落ちる… 目を奪われる。 細い細い道を通ってきた小さな砂たちは解き放たれたようにキラキラと降り積もっていく… 『あっ…まただ……』 一瞬で過去に連れて行かれる。。。 地縛霊のようにそこにいる自分を 黙って見つめる私。 言いたい事はたくさんある。 でも… 満面の笑みで抱きしめて 『大丈夫だよ』って言ってあげる。 過去へ引き戻される時の流れと

【短編小説】体内時計

この作品は、以下のお題『時計』に合わせて書いた短編小説です。 この作品を配信等で使用される場合は、以下の利用規約を必ずご覧ください。  時計が壊れた。  幾年もの歳月をともにした時計だったから、寿命だったのだろう。  今の時代、体内時計が壊れることなんて電球が切れるくらいにありふれたことだ。人は誰しも体内に時計を内包している。そのような時代では。  とにかく時計屋に行かなければ。すぐに検索をかけて、近所の時計屋を探す。思ったよりも距離がある。どうやら時計屋というのは私

【童話風小説】ハトのポッポ

時計の お家に住んでいる 木で作られた ハトのポッポ 時間になると ポッポー ポッポー 可愛い歌声を響かせる ハトのポッポには 時間にならないと会えないの 1時間に1回 ながーい針が 1周まわったら ポッポに会える ほら もうすぐ時間だ もうすぐ1周 まわり終える ポッポー ポッポー ほら ポッポが出てきたよ 1時間に1回の 素敵なポッポのステージ 恥ずかしがり屋のポッポが ステージの上では 堂々と 楽しそうに歌ってる みんな聞いて

【短編小説】秒針とともに

あの時 あの人と出会わなければ… あの時 違う選択をしていれば… あの時 反抗していれば… あの親の元に生まれて来なければ… ワタシの人生は 変わっていたのかもしれない… ……これは ワタシの走馬灯…… 後悔ばかりだ…… あれ?? ワタシは死ぬのか?? そりゃ そうだよね… クスリいっぱい飲んだから…… どうせ幕を閉じるのなら こんな惨(みじ)めな終わりじゃなく 思いのままに 操り人形じゃなく ワタシとして ワタシの人生を楽しみたかった…

『針が止まるまで』

『針が止まるまで』  カッチ、カッチ、カッチ……。  胸の中の時計の音が、徐々に緩やかになっていく。  ご主人様に仕えて早50年、寿命と言うのはこんなにも穏やかに流れるものだと感じられるのは、この50年が私にとって幸せだったからだろう。 「ご主人様、お茶が入りました」 「ああ、ありがとうね、フレッド」  私はご主人様のベッドの横で膝を曲げ、よく温めたカップに、アールグレイを注ぐ。  ご主人様は私の手から、ソーサ―とカップを受け取ると、コクリと一口だけ口をつけ、傍らの机の上に

発明

発明 人類最大の発明とは何であろうか。 一説には、人類の三大発明として「火薬」「羅針盤(らしんばん)」「活版印刷(かっぱんいんさつ)」が挙げられている。 そして、四大発明となると、ここに「紙」が入るらしい。 いやいや、そこはやはり「ネジ」だろうという人もいれば、「蒸気機関(じょうききかん)」だという人もいる。 あの有名な物理学者のアインシュタインは「人類最大の発明は『複利(ふくり)』である」と言ったそうだ。 複利とは、利子が利子を呼んで、どんどんお金が増える仕組みの事。

刻むもの

【作品形式】朗読・1人読み 【男性:女性:不問】0:0:1 【登場人物】  ・私(不問) 【文字数】406字 【目安時間】約3分 時と呼ばれている それは 流れていくものとして生まれた 時は本来 直接的には目に見えない けれども 昇る太陽や沈む月の規則性 天空に広がる星たちの軌道 大地や海に広がる動植物の循環 様々な経験を蓄積していく人間 それらを通じて 存在を示していた 『目に見えるものが全てなのではない』 その事実を教えてくれるものの一つでもある そんな『時