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言の葉から

他国の言葉を知ることは面白い。
言葉を知りたいと思う理由はさまざまだけれど、それはとても得るものの大きい欲求な気がしていて。

近々その国に赴く予定がなくても、もしかしたらこの先も訪れることがなかったとしても、無駄とは言い切れないほどの刺激を与えてくれるから。
言葉を知ることで見えてくるその国の片鱗は、これまで自分の世界になかったものを教えてくれる。
歴史や文化、音、色、ものの見方。

若い頃は、外国に行くことにどことなく抵抗があって。
うまく言えないけれど、まるでからっぽの自分で濃密な世界に飛び込むような。
脱出欲よりも心許なさの方が大きかった。
最後に海外を訪れてからもうずいぶんと経ってしまったけれど、そうこうしている間に、今や海を渡らなくてもすっかり外の世界と繋がれる時代になって。
それだけに、別段言葉など学ばなくとも、容易に交流できたり、情報を得たりもできる。

とはいえ、言葉を知ることで、自分の国と通ずる感覚や概念があることにも気づく。
差異を楽しみ、共感に目を向ける。
それはきっと国云々にかかわらず、誰かと向き合うときに必要なこと。
それに気づかせてくれることも、ひとつの収穫。
葉を一枚ずつ重ねるように、言葉を知ってみる。








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