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緑の座は誰のもの。

三色丼。
あの整然とした見た目の達成感を味わいたくて、時々つくるひと品である。
黄のいり卵、茶のそぼろ、はてさて緑は。
キヌサヤの千切り、ほうれん草、小松菜、グリーンピース。
ちょっとひねりをきかせてアスパラガス。
そんなところだと思っていた。

いやはやキュウリとは。
言われたとき思わず、冷やし中華かよ、とツッコミを入れたくなってしまった。

しかし調べてみると、少数派ながらキュウリ派もちらほら。
面白いのは、とくに地域性でもなく、世代的な好みでもないらしい。

ものは試し、さくさくと切って盛ってみる。
おや、わるくない。
甘辛いそぼろとまろやかな卵の間でほどよくさっぱり。
シャクシャクとみずみずしい。
なるほど。
しかも茹でる必要がないというのもいい。
これはなかなかの高得点だ。
頭数合わせの彩りかと思っていたが、侮れない。

三位一体とはよくいったもので、三色どれが欠けてもいけないのだと、キュウリが教えてくれた。

そんなキュウリに敬意を表し、本日は丼がキュウリで隠れるほどに敷き詰めてみようと思う。



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