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軽い読書生活 『無人島には水と漫画とアイスクリーム』など

※2024年3、4月頃の読書記録です。
※十冊前後まとめて書いてます、一冊につき長くても三百字程度。
※気軽にお読みください。この記事を読んでくれたあなたが、面白い本と出逢えますように。
※他の読書記録はこちらにまとめています。


1冊目~5冊目

🍨最果タヒ『無人島には水と漫画とアイスクリーム』2024年、リトルモア
無人島にはなにを持っていきますか? 私は水と漫画と本と金平糖を持っていきます。
最果タヒさんが縦横無尽に漫画を語り、そして合間に挟まるカワイハルナさんの抽象的(という表現で良いのか?)な絵に見惚れる、そんなエッセイ集。
私が読んだ漫画は『宝石の国』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』しかなかったが、そんなことは関係なく、楽しく読み終えてしまった。アイスクリームエッセイも可愛くて大好き、そろそろアイスをたくさん食べたい季節ですね。


☆顎木あくみ『わたしの幸せな結婚8』2024年、KADOKAWA
大好きなシリーズの初短編集。私は長編シリーズにおける短編集が大好きだ。キャラの違う一面が見えるだけでなく、魅力的なモブキャラが主役になることもあるから。
今回は清霞さんの過去(これがかなりシリアス)もあれば、清霞さんと美世ちゃんとのいちゃいちゃエピソードもたくさん。
私がいちばん嬉しかったのは一志さんが主人公の掌編。飄々とした遊び人キャラってほんとカッコいいね……一志さんの優雅な一週間、いや一か月間読みたいです。


★柴崎友香『百年と一日』 2024年、筑摩書房
不思議な、掌編集。感想にとても困る。
面白いんだけど。じゃあ、具体的になにが面白いの? と聞かれると、言葉に詰まる。
話そのものと、全体を流れる雰囲気が良い。静かで、軽すぎず、重すぎず。
雪の話が好きだ、『こわいじゃなくて、きれいっていうんだ』。


☆小野美由紀『ピュア』2023年、早川書房
最近話題になっていたように感じるけど、もう四年くらい前なんだね。
この短編集は、人間の、『性』の話をしている。
ほとんど、救いはない。醜い。それでも一気に読了してしまったのは、私が『人間』だからだ。
表題作はある意味、純粋なラブストーリーで。だけど、私は生命の螺旋の先端に突き刺さる『母』という生き物にだけは、絶対になりたくないと改めて強く思った。


★森晶磨『黒猫の接吻あるいは最終講義』2014年、早川書房
始終、黒猫、あんたねぇ……! とやきもきしつつ、夢中になって読み進めてしまうシリーズ。黒猫の講義があったら私だって聞きたいよ、良い評価は貰えないだろうけど(これは別作家というか『森』違いの作家さんのキャラクターですが、犀川先生の講義もそう、聞きたいけど良い評価は絶対貰えない)。
最後の一文がとても、とても良かった。読みやすいミステリーなので、本当にあらゆる人に進めて回りたい。そして私は続きを買わねば。


丸いアイス、渦巻きソフト①

小さいころ、なぜかわからないが、丸いアイスに憧れていた。
その憧れが、どこから生まれたのかわからない。 

近所には、丸いアイスのお店の代表格サーティワンアイスは存在しなかったのに。テレビで見たのか、友達に聞いたのか不明だが、とにかく私は丸いアイスが食べたかったんだ。

小学校の中学年か高学年か、ついに私はサーティワンアイスに連れて行ってもらった。コーンの上に乗った、丸いアイス。憧れだった。だから、初めて食べた味も覚えている。

そう、私の人生初丸いアイスはチョコミント。
小学生にしては渋いチョイスで最高じゃん?


6冊目~10冊目

☆村上紀史郎『絶滅鳥ドードーを追い求めた男 空飛ぶ侯爵、蜂須賀正氏 1903-53』2016年、藤原書店
ある日、妹の鳴き声が、「ハチスカ……」と「ドードー……」になっていた。ちょっと怖かったが、この本を借りて読むことにした。
一言で言うと、蜂須賀正氏はロックな男である。それも、並みのロックではない。タイトルから分かる通り、彼は華族だ。蜂須賀家の当主だ。
それがなんでドードー? と思った方は、本書を読むと、鳴き声が「ハチスカ」と「ドードー」になるでしょう。


★斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』2022年、早川書房
この世界に天使が降臨した。美しくも可愛くもない天使は、人を二人以上殺した人間を淡々と地獄に引きずり込む。地獄を怖れるが故に、この世界から連続殺人事件はほぼ消滅した――すごい設定だと思った。
私はミステリーを読みながら推理をしないタイプの人間なので、謎解きより探偵の心理描写に夢中になってしまった……いつか青岸探偵事務所のスピンオフが読みたいです。


☆最果タヒ『もぐ』2017年、産業編集センター
詩人が食べ物を語ります。久しぶりに読み返したんだけど、この本は特になんだかお気楽で自由な感じがする。読み終わるとパフェとか小籠包とかマックグリドルとかちくわ天とか食べたくなるね。
そしてたぶん、私はこの本でジャン=ポール・エヴァンを知りました。ジャンの表参道のお店、入るときめちゃくちゃ緊張するんだよなぁ……


★塚本邦雄『紺青のわかれ』2022年、河出書房
塚本の男たちは色気たっぷりなのだが、なんか、こう、「もうちょっと頑張れよ!!」感もある気がする。それは塚本が散文で書く女たちが、はっきりと魔女だからなのかもしれない。すごく強かで、印象が深く残る女たちばかりだ。『十二神将変』もそうじゃなかった?
それからこの本の登場人物はみんな名前が耽美で優美で良い(たまにマジで名前が読めないが)。


☆若山牧水『樹木とその葉』2019年、田畑書店
この本を読むととても山を歩きたくなり、同時に酒も飲みたくなる……普段は山なんて歩かないのだけど。酒はいつも飲んでいますが、牧水ほどではない。
牧水は教科書にも載っているような歌人ですが、この本はさらさらと読めるし、牧水を近く感じることができる。
明治生まれの歌人と感性が通じるような気がして、ああ読書って面白いと思う。


丸いアイス、渦巻きソフト②

大人になったら渦巻ソフトに郷愁を感じる。観光地にありがちな、珍しい味(藤の味を去年食べた)渦巻ソフトが魅力的で、すぐ食べてしまう。
そういえば、カラースプレーを追加料金で渦巻きソフトにかけて食べられる店があった。大学のとき、カラースプレー好きの友人がそれはたっぷりカラースプレーをバニラソフトクリームにかけて食べていたんだけど……あのお店、まだあるのかな。

この夏は、探しに行こうかな。
懐かしくて大好きな、渦巻きソフトを。できればミックス味が良いです。

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