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4月8日~17日 『地底旅行』、スタバとエモい、物語のようなセリフ



4月8日 レタスドッグ片手に地底旅行

土曜だけど仕事だった。悲しい。今の仕事内容に不満はないけど、こういうとき転職したくなる。いや、単に仕事をしたくない。就活に成功したとき『負けた』と思ったよ心から。

負けてしまった、負けたせいで生きている。

土曜の朝でも、電車は普通に混んでいて、仕事っぽい人もたくさんいた。たいへんだ。

仕事帰りに、ものすごくレタスドッグが食べたくなりドトールへ行く。

カッコいいおねーさんが作ってくれたレタスドッグは、レタスが爆発していた。
だけどそんなこととは関係なく、ドトールのレタスドッグは美味しいんだよなぁ。マスタードのぴりぴりが良い。あと、記憶よりパンがふわふわしてたから幸せだ。

落とさないように、汚さないように気をつけながら、ヴェルヌの『地底旅行』を読む。ヴェルヌはずっと読みたいと思っていたけど、初めて読んだ。新訳なのもあるかもだけど、めちゃくちゃ面白い。

主人公、アクセルくん。頭は良いが一級フラグ建築士。彼がなにか言うたびに「それフラグだよ!」ってめちゃくちゃ叫びたくなる。体力はない。作中一番死にかけたのはたぶん彼。後半に『覚醒』してしまう……面白いよ彼は。

アクセルくんの叔父、リーデンブロック教授。地質学や鉱物学の世界的な権威らしいが、とにかくヤバイ奴という印象。彼のせいでアクセルくんは地球の中心を目指すことになる。「〜なのじゃ」口調なの可愛い。

スーパー地元民、ハンス。地球の中心を目指す旅に同行したアイスランド人。なぜだかわからないが、リーデンブロック教授に忠誠を誓っている。ただの地元民とは思えぬ活躍をする。彼がいなければたぶんアクセルくんは100回くらい死んでた。

科学的な描写についてはさすがに現代の常識にそぐわないところが多いけど、「とにかく地球の中心を目指そうぜ!!」な3人が面白く(ハンスは全然喋らないけど)、するする読んでしまった。

またヴェルヌを読もう。


4月11日 100均わからん哀歌

近頃の100均は広すぎる。

なんでもあるのはありがたいけど、なんでもありすぎて目が滑る。

店員さんに聞けば一発だろうけど、とにかく店員さんに話しかけるのが苦手で。

今日買いたいのは、キッチンに置くゴミ袋。絶対に買わないといけないブツ。

でも、見つからないんだよ。キッチン用品のとこもポリ袋が置かれてるとこもぐるぐるしたよ、なのにないんだよ。

疲れたので帰る。諦めが肝心。また今度でいいや。

池袋に、ダイソーとスタンダードプロダクツ(プロダクト? バスタオルを愛用させてもらっているが正式名称がよくわからない)となんだっけ、可愛い300均みたいなダイソー系列のお店が、ワンフロアに並んでるとこできたらしい。

東武にできたんだか西武にできたんだか。

全てが曖昧なまま生きてる。


4月12日 エモいとスタバがサヨナラする未来

メロンフラペの日だ。

メロンフラペ、去年も発売されて人気だった。

去年も飲んだ。ホイップが緑で綺麗で、味は限りなくメロン味だったことを覚えている。少なくとも、メロンパンよりはよっぽどメロン味だった。

激混みかなぁ、と心配したけど思ったほどてはなく。

メロンフラペを飲みながら、柴田勝家の『走馬灯のセトリは考えておいて』を読了。この作家さんはよくハヤカワのアンソロで読む覚えがある。

短編集なんだけど、表題作はもちろん宗教性原虫の話が好きだった。大学では生物学を学んでいたので、創作学名みたいなのにたまらなく興奮する、もっとみんな学名から創作してよ。ありとあらゆる幻想動物の学名を創作してほしい(自分でやるのも楽しそう)。

表題作は泣いた。

VTuberがもう過去のものになった時代の話で。

エモい、なんてのも死語で。

でも、この物語はエモい話だった。

エモい、って便利な言葉で、中身がすかすかのエモいもよく聞くし、言うんだけど、私はこの言葉が好きだ。

「なんかいい」って言うより「エモい」って言いたい、例え中身が空っぽでも。言いたいだけかもしれない。

メロンフラペを飲みながら涙目だったから、だいぶ変な奴だったな。

VTuberが過去になる時代に、エモいが死語になる時代に、スタバはまだ覇権を握っているのだろうか。


4月14日 この前読んだばかりだけど『富士日記』読み返したいなぁ

『富士日記を読む』に書評家? のミスを発見。いや私が生まれた頃に書かれた書評だから、もしかしたら当時の富士日記ではそういう描写になってたかもですが(自分で書いといてなんだけどそんなことあるか?)。

百合子さんが、自衛隊の車にブチ切れるところ。

ブチ切れて、ガソリンスタンドのおじさんたちに愚痴を言うシーン。

あれ、『先生はえらいなぁ』言ったの、スタンドのおじさんじゃなくてノブさんじゃん。

初見で『ん?』ってなって、改めて確認した。やっぱりノブさんでした。

推しに対する記憶力だけは優れてる。


4月17日 次のページを教えて

新宿駅で、「恋って本当にあるんだって思った」って聞こえた。女の子の声だった。
その続きの言葉はなんにも聞こえなかった。私は朝の新宿駅を改札に向かって歩いていく。
見知らぬ女の子のセリフ、忘れないようにメモをする。

なんて物語めいたセリフでしょう!

そのセリフから始まる物語を読んでみたいなぁ。

 


ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』高野優 訳 2013年、光文社 
柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』2022年、早川書房
武田百合子『富士日記 上』 2019年、中央公論新社
中央公論新社編『富士日記を読む』2019年、中央公論新社

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