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「お話づくりゲーム」in支援級

特別支援学級の2年生を対象に、TRPGを導入した実践を報告します。

背景

もともと「TRPGを教育に利用したい」と思っていました。
ちょうど2年生の国語(光村図書)に『おはなしのさくしゃになろう』という物語創作の単元があったので、彼らにとっては書くよりもハードルの低い「話すこと」で物語をつくってもらおうということを企画しました。
以前も記事に書きましたが、まずおはなしづくりカードで自由に物語を補完するところから練習していきました。
シナリオ執筆にあたっては、「自由度を上げること」「選択肢を与えること」「技能はこちらで決めてしまう」などの反省を活かして実施しました。

成果と反省

今回もベースにしたのは「ふしぎもののけTRPG ゆうやけこやけ」です。
狐が人間に化けて、友達を探す、という筋書きにしました。
参加したのは3名で、知的には問題が無いのですが、集中が途切れることがあったので、こちらとの対話だけでなく、ダイスを振る場面を入れて盛り上げることも意識しました。
最終的に「タイムマシンをつくる」などフィクションならではのアイデアが出たり、自分の技能を使って狐の少年と仲良くなっていく様子を自己決定したり、前回何も言えなかった児童も楽しそうに発言しながら遊んでくれたのがとてもうれしかったです。

一方で、ポイント制を取り入れることも考えるべきだったと反省しています。
「ゆうやけこやけ」ではダイスを振らず、ポイントを稼いで使う方式なので、もっとそれに寄せても良かった気がしています。
そのほうが児童にとってはゲーム性が感じられ、もっと選択肢の幅が増えた(葛藤も増えた)のだろうと考えています。

TRPGという体験から学ぶ

児童の中には、友人関係でトラブルを起こす子もいたのですが、NPCである狐の少年と「友だちになりたい」「助けてあげたい」という純粋な気持ちを見せてくれる場面がありました。
また、児童同士で「どの技能を使うか、組み合わせるか」という話もできていたので、TRPGなどで行なわれる「演技」によって体験したことが、日常生活を送るうえでも活用される可能性を感じました。
体験から学ぶこと、そのうえで学んだことをどんどん活かせる活動としてのTRPG実践を今後も続けていきます。

参考記事


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