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再燃🔥|梨木香歩著『丹生都比売』、幸田文著『木』


写真右:梨木香歩さんの作品集『丹生都比売』 


「春に二上山山頂の大津皇子のお墓にお参りした」
と友人に話したら、関連書籍として薦められた。
作品集のタイトルにもなっている短編、『丹生都比売』。

読んだことなかったと思って読み始めたけど、
ムマとかキサとか出てきたあたりで、初見じゃないと気付く。。。
けれども、お話の起承転結は覚えていない。。。

作品の主人公は草壁皇子(大津皇子の異母弟)。

彼の儚い様子を読んでいると、十二国記シリーズの黒麒麟 、
泰麒とオーバーラップする。

どちらも悲劇というだけで、
ストーリーは似ても似つかないけれど。

もうひとり、とても身近な人物の幼少期にリンクするような
感じもして。彼の幼少期のことは、本人や家族の話から
想像するしかないのだけど。

梨木香歩さんも男の子の母であることを想うと、
なにやら普遍的で、けれども独特の物悲しさが漂ってくる。

で、実生活に戻ると、
やはりわたしは草壁の君よりも大津の君がどうにも気になる。

奈良で最期を遂げた若き皇子の生まれは畿内ではなく、
那の大津(博多、今わたしの居所の近く)と知ったからだ。

関西に帰省した折に、今度はレンタサイクルでゆかりの奈良の地
(大津皇子と、幼少期から学生時代を過ごしたわたしの)
をポタリングしたい。


写真左:幸田文さんの随筆『木』


ある方の投稿でシェアされていて、わあ!と血圧が上がった。

二十歳になる直前、
この随筆を読んで、樹齢数千年にもなるという屋久杉の存在を知るなり、
屋久島への旅を計画、決行した。

「ふーん、鹿児島なんや? え、行ってみよかな」と、
すんなりとこの冒険に付き合ってくれたR子ちゃんとの二人旅。

準備不十分で、目当ての縄文杉には辿りつけなかったけど…

すれ違ったのはハイカーひとりだけだった白谷雲水峡、
数時間のトレッキングは終始雨降り、
宿で着替えて荷物広げたら、ポケットの中の
パスケースもお札もビッタビタに雨浸しになっていたこと、

民宿の夕飯に出てきた煮付けがトビウオで、
「トビウオって食べられるんや!」というオドロキと、
ものすごくおいしくて、屋久島の山と海と一体になれた気が
したこと、

ガジュマルの気根、島の人の温かさ、

全身全霊で味わえたこと、いつでも思い出せるくらい鮮明で、
未だにみずみずしいままだな。

随筆では、『杉』の一つ前、『ひのき』の章も、
いつ読んでもハッとさせられ、少し胸が痛む。

日頃、ついつい星読みの資料や本ばかりになってしまうけど、
こういう文章を読むと、心が違う広がり方をするから、
どちらも同じくらいだいじ。

…にしても、読書の好みも土星と水星強めなの、
わたしのホロスコープがモロに出てる〜

あ、あとあの惑星も、、、

星の一葉 ⁂ 光代

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