見出し画像

ただ ここにあるモノ

ただここにあるモノ

タツコン  テーマ  繋がり

サイズ:F4号
制作年:2020年
画材:墨汁、顔彩、クレヨン、ペン、和紙  水彩紙


初展示作品です。
小さい頃に諦めた夢
【命が尽きるまで描いて生きる】
その夢の始まりの作品です。

説明①

この作品は、実際に飼育員の時に経験した動物の出産の時の記憶を描きました。

背景の赤い卵は母の胎。
そして、この子は今この世へ生まれてこようとする赤ちゃんです。

その姿はこの世への繋がりを求めるように、生まれたいと手を伸ばして力強いものでした。
そして、初めて足を地につけ立ち上がり、教えてもいないのに母の乳を求め歩く姿は生きるとは何かの答えそのものでした。


しかし、この子の生きたいという願いは虚しく幼くして亡くなりました。

説明②

この子の胸には、火の鳥が巣食っています。
火の鳥とは不死の鳥。死を再生するもの。

弱っていくこの子にしてあげられる事は無く、私は無力な生き物でした。

せめて、私が出来ることは何か。

この子が生きていた記憶を、この子の無垢な思いを絵に込めて祈り描くことしかありません。

絵に描き、遺す。
遺品はこの子が存在していた事の証明になります。

命は亡くなりましたが、記憶の中でこの子は生き続けます。

説明③

今回の展示は、テーマ【繋がり】です。

この子が展示され、ただここで息をしている。
ただ、それだけで見てくれた人と私に、この子に繋がりを作ります。
私が絵を描き続けるための縁を繋ぎます。


繋がりとは何か?

私の答えは、ただ ここにあるモノ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?