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高校生のバイク免許は絶対悪?

政治家をやっていると様々な要望をいただきます。時に目から鱗が落ちるようなものがあります。「高校生もバイクの免許を取得できるようにしてほしい」という陳情は、私にとってまさに目から鱗でした。

暴走族と「三ない運動」の時代

私の子供の時は「スクール☆ウォーズ」「ビー・バップ・ハイスクール」「湘南爆走族」といった作品に代表されるように、暴走族の嵐が日本中に吹き荒れた時代でした。私も中学時代、自転車のハンドルをチョッパー(若い人は分からないかも)に改造していました。高校生にバイク免許の取得なんかを認めたら大変なことになると誰もが考えた時代でした。

いわゆる「三ない運動」はそうした時代背景で生まれました。私が育った滋賀県や地元の静岡県ではこの運動が徹底されてきましたが、高校生のバイク通学を認めている都道府県もあるという事実を先日初めて知って、これは一考の余地があると考えるようになりました。

高校の統廃合で通学が困難に

現在、高校生にバイク免許の取得を許可する要望が出てきているのは、少子化で高校が統廃合され、通学が難しくなっている地域があるためです。実際に以前私の選挙区だった伊豆半島では高校が次々と統廃合され、生徒が遠く離れた学校に通わざるを得ないケースが出てきています。鉄道がない地域もありバスを利用することになるのですが、本数も少ないので親が車で送らざるを得ないケースもあります。

バイクメーカーや販売店の皆さんは、免許取得に合わせて交通ルールの講習を子ども達に徹底するなどの提案を都道府県に行っていますが、「三ない運動」を推進してきた都道府県では解禁には至らないケースが多いのが実状です。静岡県でも個別事情に即してバイク通学が認められているケースもあるとされていますが、実際は極めて例外的なものにとどまっているようです。

高校生とバイクについてどう考える

子供を持つお母さんたちにも意見を聞いてみました。やはりバイクの事故は怖いというイメージが定着していて、自分の子供には免許を取らせたくないというお母さんが多かったです。私も幼馴染をバイクの事故で亡くしていますので、その気持ちはわかります。他方、田舎に住んでいる高校生がバイクに乗るからといって暴走族になる時代ではありません。

子供の通学は過疎化の問題とも深く関連しています。子供の進学を機会に家族ごと都市部に出ていくという流れは止めなければなりません。今のように「バイクの免許は絶対ダメ」というところからスタートするのではなく、一定のルールの下で免許の取得を認め、それを機会に学校や地域全体で交通ルールの研修を徹底する時代に入っているのではないでしょうか。


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