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"精神的な支配、見えないチカラ"~ 今日の 一曲 CHVRCHES / He Said She Said

「今日の一曲」を始めてから これまで、まだまだご紹介しきれていない曲/アーティスト(グループ、バンド)だらけです。

そんな中で先日ふと、「今日の一曲」では紹介していない 好きなバンドを紹介しようと思い立ちました。

以前、この記事の中で 取り上げたバンドです。
(スキな三曲を語る、という企画なのに 掟やぶりしまくり...(笑))

そしてそして。
今月初めに記事にした Spotifyまとめ2021
で、私がよく聴いた 【マイ・トップ・アーティスト ベスト5】になった バンド。

そんなバンド CHVRCHES|チャーチズ について書いていこうと思います。

CHVRCHES | チャーチズ/ He Said She Said

先に挙げた 「2019年に彼らに会えたから、私は生きていける。」では CHVRCHESの他の二曲とともに 4th アルバムから紹介したのが
Good Girl でした。
その時にも書いていたのですが

今年8月にリリースされた最新作「Screen Violence」収録の Good Girl。

実は、「He Said She Said」とどちらを挙げるかとても悩むくらいどちらも好きな曲です。

その時は泣く泣く一曲に絞って Good Girlを紹介したので(^-^ゞ
今回やっと、He Said She Saidを紹介できますー♪

その前に彼らの説明を改めて。

CHVRCHES(チャーチズ)はスコットランド、グラスゴー出身のバンドです。

ローレン・メイベリー、マーティン・ドハーティ、イアン・クックによる3人でメンバー構成されています。

2013年にデビューアルバム『The Bones of What You Believe』がリリースされ、
2015年に2ndアルバム『Every Open Eye』、
2018年に3rdアルバム『Love Is Dead』をリリースしてきました。

そして2021年4月19日に、ニューアルバムからの先行シングルとして「He Said She Said」がリリースされました。

結成から10年という節目に届いた通算4枚目のアルバム『Screen Violence』は、かつてないシチュエーションのなかで新しいプロセスに踏み出した意欲的な作品となっています。

まず、このアルバムはコロナ渦で ロサンゼルスとグラスゴーと離れているメンバーが
リモート/オンラインを駆使して作りあげたものという意味でもとても意義のあるものなのですが。

これまで以上に様々なチャレンジもなされていること、そして、より強いメッセージ性の込められたものになっている点がとても印象的でした。

回転式ドアは 人間のパワーバランスを意図して取り入れたという ミュージックビデオについては 監督、メンバーがこのように語っています。

回転ドアは、巧みな操作による力関係が、循環してしまう状況と、そこに閉じ込められている感覚に捉われて抜け出せない思考を暗示している。同時に、このドアはフィルムの現像タンクも表している。つまり撹拌することで “絵” が作られていく。その撹拌は、虐待的な関係のように、何かをコントロールし、支配する力による悪意のあるものである場合もあれば、抗議、つまり自分の主体性を取り戻すためのポジティブな力である場合もある。
- Scott Kiernan
視覚的な視点を共有しているスコットとの仕事は、とてもエキサイティングだった。彼は、私たちの言いたいことを本当に理解し、高めてくれた。彼がMoogのために作ったショートフィルムで彼の仕事を知り、彼の美学とストーリーの伝え方に夢中になった。新しい時代を迎えたバンドのために、すべてをクリエイティブに演出してくれたから、これからCHVRCHESのファンにそのストーリーを届けられるのが待ちきれない。
- CHVRCHES

また、特にこの曲 He Said She Saidについて
ローレンがインタビューで以下のように語っています。
ローレンは以前から 「女性の権利」について色々と発言したりしていました。

みんなと同じように、私もこの一年というもの、多くの時間を使って考え、過去を振り返り、今までうやむやにしてきたことや心の奥にしまい込んできた体験について考えていた。私はこれまでの人生の多くを(個人的にも職業的にも)女性として期待される不快なバランス取りに費やしてきたように感じる。そして歳を重ねるごとに混乱も増して、ひどい疲れを感じるようになってきた。

成功するのなら、みんなの望むやり方で成功すべき。自己主張してもいいけど、男の影が薄くなるほど大声を出すな。魅力的になるのは男性のためだけ、決してうぬぼれてはいけない。話題のサッドガールを目指すなら、誰にも迷惑をかけないように。賢くなるのはいいが、与えられるものより多くを求めてはいけない。

「He Said She Said」では、受け入れるべきではないのに受け入れてきてしまったことを、私なりのやり方で清算してる。それは自分に対してダメージにならないよう偽ってきたこと。制作に戻ってみんなで最初に作ったのがこの曲で、まず出てきた歌詞が冒頭の「彼は言った “君には飽き飽きした”」だった。どのヴァースも、今まで実際に男性から言われたことを皮肉にしたり別の言葉に置き換えたりしている。女性として生きるのはひどく厄介なことよ。でも空洞に向かって叫ぶよりも、ポップソングにのせて喚く方がよっぽどいいと思った。この1年のことを考えると、誰もが共感できるのは、頭がおかしくなりそうって感情だろうと思う。

- CHVRCHES (Lauren Mayberry)

☆一部歌詞と 私の意訳☆

He said, “You bore me to death”
“I know you heard me the first time” and
彼がね、こう言ったの
「君は死ぬほど退屈だな」
「たぶん初めて聞いたことかもしれないけど」って

“Be sad, but don’t be depressed”
Just think it over, over and
「悲しむだけ悲しんでいいよ、でも沈みこんで落ち込むのはやめようね」
言われたことを考えてるの、何度も

He said, “It’s all in your head”
“But keep an ear to the grapevine” and
彼はこういう風にも言ったのよ
「全部君の思い過ごしだよ」
「でも、人のうわさ話に聞き耳を立てておきなよ」


“Get drunk, but don’t be a mess”
Keep thinkin’ over, over
I try
「酔っぱらってほしいな、でもひどく乱れてはいけないよ」
考えてるの、何度も何度も
努力してるんだけどね

(中略)

He said, “You need to be fеd”
“But keep an eye on your waistline” and
彼はこう言ったの
「君はもっと食べた方がいい」
「でもウエストのくびれが保てるよう気を付けてね」って

“Look good, but don’t bе obsessed”
Keep thinkin’ over, over
I try
「見た目は良くした方がいいな、でもこだわりすぎるのは良くないけどね」
あたしは何度も何度も、考えてるし
努力だってしてるのに

But it’s hard to know what’s right
When I feel like I’m borrowin’ all of my time
でももう、何が正しいのかわからないよ
私が過ごしてるのは まるで全部、レンタルした時間のような気がするんだ

And it’s hard to hit rewind
When I feel like
それに、(まるでなにもなかったかのように)リセットすることってなかなか難しいんだよね
私の気持ちが滅入りそうな時でも...

I feel like I’m losin’ my mind
Feel like I’m losin’ my mind

冷静な判断を失ってるような気がする
おかしくなっていく気がする

Over and over, I
何度も何度も、私は

I feel like I’m losin’ my mind
Feel like I’m losin’ my mind

冷静な判断ができなくなってるんじゃないかな
おかしくなっていく気がする

Over and over, I
何度も何度も、私は

Feel like I’m losin’ my mind
Feel like I’m losin’ my mind
Over and over, I try
おかしくなっていく気がする
何度も何度も、どうにか正気を取り戻そうとしてるんだけど...

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Spotify

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最後に

お読み/お聴きくださいましてありがとうございます。

チャーチズならではの、キャッチーでポップなサウンド、そして ローレンの歌声はとても心地よく、この曲が収録されているアルバムもずっと繰り返し聴けるほど好きなアルバムなのですが。

歌詞に込められた思いに 少なからず共感する人もいらっしゃるのではないでしょうか。

人間関係におけるパワーバランス、力を持つものの支配によって受ける精神的苦痛、というものを 歌詞やインタビューから改めて考えさせられたりもしました。

今日も寒いので、引き続き 皆さん 暖かくしてお過ごしくださいね。

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