息子の少年野球で、未熟者の私が学んだこと⑨

入団すると、長男はこれまで他の母親たちに、「〇〇くん」と呼ばれていたのに、急に呼び捨てされるようになった。
私は自分が指導する立場でもないのに、他人のお子様をいきなり呼び捨てすることに抵抗があったので、やめておいた。
同じように思っているけれど、前倣えをする人もいれば、そうじゃない人もいた。
その点も、モヤモヤの一つだった。

それぞれ家族構成や家庭の事情が違う故、親の協力の頻度と内容は決して平等ではなかった。
これも、同じ条件で行うものと思っていた私は、納得できなかった。

例えば、父親が土日休みではない人、またはいない人は、その家からパパコーチは出せない。
車出しも父親がやることが多かったから、それもできない。
かといって、母親がお当番を多めにやることはない(自ら名乗り出る人もいなかった)。
兄弟姉妹格差もあった。
団員が下の子であり、上に兄姉がいる場合は留守番、または年が離れていれば気にする必要もない。
でも、逆の場合は、近くに祖父母など預け先があれば、練習中(お当番中)下の子を預けることができるが、いなければ連れまわさなければならない。
私はそれがネックだった。
当時幼稚園生だった次男はじっとしていられるはずがなく、校庭内をチョロチョロしていた。
それを追いかけながらのお当番は、苦痛でしかなかった。
在籍していたチームの関係者は皆優しく温かい目で見てくれたが、他のチームでは、小さい子が少し校庭に入っただけで、「おい!!何やってんだ!!あぶねーだろ!!ちゃんと見とけ!!!」と、昭和の親父が母親に怒鳴り散らしているのを見かけた。

土日休みじゃない父親も、土曜参観日や運動会にはしっかり休みを取って来るのに、たまに休んで来る少年野球は、遊び感覚の見学だ。
上の子がいる人や、下の子の預け先がある母親は、お当番をしながらゆっくりと自分の息子の様子を見守れる。
うちは?
活発な次男を連れながらのお当番や車出しにパパコーチ、何の免除もなし。
団員が増えれば車の数も必要な訳で、車出しができない家庭が増えれば、他人のお子様のために休日が無くなっていく。
何とも言えない気持ちになった。
また、我が家は学区ギリギリのところに住んでおり、学校まで子どもの足で40分。
団の方針で小4までは保護者付き添いでも自転車禁止の謎ルールがあったので、毎回車で送迎しなければならなかった。
涼しい時期は良いが、夏場にあの厚着に重い荷物を持たせて低学年を一人向かわせるのは抵抗があった。

自転車のルールも、このお当番の仕組みも、全て入団後に知らされた。
長男のためというより、他人のために頑張ってないか?
「騙された」という気持ちが日に日に大きくなった。

同じ条件なのは、美智子の家だけだった。


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