🙀オバはん、下を向いて歩く。だから見えるものがある🌸
オバはんは歩行のスピードも上がり、「少し遅めに歩く人」程度になった。
でも、リハビリ中。
安全そうな道を選んで歩くため、下を向いて歩いてしまう。
だからこそ見えるものがあるらしい。
この日はテンポ良く歩けそうだったので、どんどん進む。
すると、「あっ!! 危ない」
この道路は歩道で、平坦な道のはず。
どうして一部がこんなになってるの?
少しの段差も、今のオバはんにはとても怖いもの。
周りを見るといくつもあった。全部大きな桜の横だ。
よく見ると何ヵ所も。
老木の生命力。
人間は生きようとする木の根を何度もコンクリートやアスファルトやレンガで上から押さえつける。
木はそれでもまた下から押し上げる。
人間はそれをまた押さえつける。
オバはんは、改めて人間のしていることを振り返させられた。
何十年も押さえつけられ、押し返してきた老木は今年ももう少しで花を咲かせる。人間は上を見上げて開花を喜ぶ。
根の周りに咲く花もある。
骨折、リハビリは、これまで気づかなかったものを見せてくれた。
今年、オバはんは桜の花よりコンクリートの下の姿を思うだろう。
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