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今後、一気に増えてくる?海外大学と結ぶオンライン教育の協定は、日本の大学に何をもたらすのかを考える。

大学の学びにオンラインをどのように活かしていくべきかは、コロナ禍になって以降ずっと注目されているテーマなように思います。今回、見つけたプレスリリースも、そんなアフターコロナのオンライン教育を意識した意欲的な一手だと言えます。これまでになかったような大学の学びがでてくるのを目の当たりにすると、やっぱりワクワクしてきますね。

リリースの内容は、追手門学院大学がペンシルバニア大学と「Online Learning」に関する協定を結んだというもの。海外の大学と学術交流協定を結ぶ大学はたくさんありますが、「Online Learning」に焦点を絞った協定というのは、今回のものが全国初だそうです。

全国初ということは、追大とペンシルバニア大学の職員たちは、おそらくゼロから議論し、かたちにしていくという作業をしたのだろうと思います。海外の名門校とこういった作業ができるのは、大学職員にとって大きな財産です。また、現段階だと海外大学とのオンライン教育の協定を結ぶことで何ができるのかに決まった“型“がないように思います。今、海外大学と積極的に協定を結んでいけば、海外のさまざまな大学と協働し、新しいスタンダードをつくることに携われるともいえます。こういった活動は、単に大学の教育環境を充実させるだけでなく、大学教職員のレベルアップにも直結していくのではないでしょうか。

さらに別の見方をするなら、オンライン留学は通常の留学よりもはるかにハードルが低いでしょうし、期間にしばられることもないでしょう。教室のキャパに縛られないし、なかにはオンデマンドのため人数制限がそもそもない授業というのもあるように思います。海外の一流大学と提携して、こういった授業を積極的に増やしていくと、これらオンライン授業の方が、自大学で提供している授業よりも質が高く、人気があるという状況ができてきても不思議ではありません。

こういった危機的な状況にならないように、自大学の学びのアイデンティティや魅力をしっかりと理解し、育てていくことがより大事にっていくように思います。おそらくですが、対面とオンラインは違うから大丈夫と、あぐらをかいていると痛い目に遭うような気がします。対面とオンラインが違うというのは、いまの私たちの感覚でしかありません。今後オンラインが普及し洗練され、受講する学生もZ世代になっていくと、この感覚や状況が変っていくのが、むしろ自然です。

これからの日本の大学は、世界の一流大学の学びを自大学に取り入れつつ、一方でそれに負けない学びを自大学で生み出さないといけなくなる。これをつらいと受け止めるのか、チャンスだと捉えるのかで、大学の成長は大きく変わるように思います。チャンスと受け止められる教職員を増やすために、まずはオンライン留学の協定を海外大学と積極的に結び、教職員の経験値を上げていく、というのも一つの手かもしれませんね。

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