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これからの動画づくりで重視すべきは、まず話題性?大学×アーティスト動画の可能性を考える。

コロナ禍になり、大学の授業はもちろん、広報活動もオンライン重視になってきたように思います。そんなオンラインでの情報発信のなかで、とくに注力されてきていると感じるのが動画です。今回、見つけた帝京平成大学の取り組みもそんな動画によるものなのですが、今後こういう方向性のものも増えていくのかなと思いました。

今回の帝京平成大学の取り組みは、「まるりとりゅう」というアーティストとタイアップしてWebCMをつくるというものです。ちなみに帝京平成大学は、毎年人気声優を起用してファミリーマートの店内CMを流したりもしており、広報活動の個性はわりかし強めです。

別大学でも似た動きがないか調べてみたら、関西福祉大学が今年DA PUMPによるオリジナルソング「Believe in your Dream」を使って、大学のプロモーションムービーを作成していました。

言うまでもなく、動画は手軽に多くの情報やイメージを伝える手段であり、若者との相性は抜群です。これまでは、そうはいってもテレビCMを流すのには、かなりの媒体費がかかるため、多くの大学が二の足を踏んでいました。しかし、今やYouTubeをはじめ、オンライン上のあちこちに動画が転がっており、動画に触れる機会は、テレビだけじゃなくなりました。若い世代であれば、テレビよりもオンラインで見る機会の方が多いんじゃないでしょうか。おまけに、コロナです。リアルイベントを思うように開催できず、伝えたいけれど伝えられない、そんなもどかしい状況が続いているわけで、必然的に動画の重要性は上がってきているように思います。

あくまで個人的に、ではありますが、これからの動画は、YouTubeが主戦場になるため、映像としてのクオリティよりも、アイデアであったり、更新頻度の高さが重要になるのではないかと思っていたんですね。いやまぁ今もそう思ってはいるのですが、今回の帝京平成大学や関西福祉大学のやり方はこれとはまったく違います。これってどうなんだろうと自問自答してみたのですが、うん、これはこれであり!と自分のなかで落ち着きました。

帝京平成大学らの動画は、媒体費のコストカットをしやすくなったなかで、全体のコストを下げるのではなく、(浮いた費用で?)動画制作にしっかりとコストをかけてきました。しかも、動画のクオリティを上げるとか、表現に凝るとか、たくさんつくるとか、そういうのではなく、アーティストとのタイアップという違うレイヤーで費用をかけてきたわけです。かけっこだと思ったら、後ろからきたチャリに抜かれたような衝撃です。

現在、YouTubeしかり、SNSしかり、以前ほど媒体費をかけなくても、情報が出まわりやすくなってきました。一方で、お金をかけても話題にのぼらなければ、そんなに情報が拡散しない世の中になってきたともいえます。こういう状況のなかでは、動画のクオリティよりも話題性が大事という考え方もできるわけで、今回の2大学の動画は、話題性にしっかりコストをかけてきた、と受け取ることもできます。

また、今回の2大学の取り組みを見て思ったことがあります。昨今、無料コンテンツが氾濫し、アーティストたちが稼ぎにくくなっています。こういったなかで、大学が応援を兼ねて若手アーティストを広報物に起用する動きが出てきたら、すごく面白そうじゃないでしょうか。大学は教育機関なわけで、単に広告を打つのではなく、その活動自体が誰かを育てることにつながっていたら、大学らしく、とてもしっくりくるように思うのです。さらにいうと、それがどこか一つの大学の試みではなく、大学全体の広告の特徴になっていけば、受験生はもちろん、そうでない人も、大学のことをもっとずっと好きになってくれるはず。ちょっと夢見がちな発想ですが、できるとすごくよさそうです。

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