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お酒を温める道具”ちろり”について

ちろりとは


お酒を温める際に使用する酒器のことです。

錫製のちろり

HOT SAKE Labではちろりを日本酒に合わせて3種類を使い分けています

  1. 錫(すず)

  2. ガラス(ビーカー)


錫(すず)

錫はイオン効果が高く、水を浄化し飲み物をまろやかにするといわれています。
古くから「錫の器に入れた水は腐らない」や「お酒の雑味が抜けて美味しくなる」などと言われ 酒器や茶器などに使われてきました。
科学的に証明はされていないですが一説によると、日本酒やワインに含まれるフーゼル油(アルコールを醸造する時に生成される揮発性成分)が溶けるからだそうです。錫の酒器にお酒を注ぐとフーゼル油特有のカドが取れ、口当たりがまろやかになるのです。

そんな錫製のちろりは、熟成感の強いどっしりしたお酒を少しシャープにしたい時やまろやかにする時に使用しています。また、新酒のような味わいにカドがあるお酒に使用してカドをなくしてまろやかにしたいときに使用しています。

金属の中でも熱伝導率が高いと言われている銅です。
そんな銅製のちろりを使うと一気に温度を上がることによる効果で味に膨らみが出てきます。
とはいうものの実は熱伝導率は錫とあまり変わりません。
さらに言うと、内側には錫でコーティングされています。でも錫製とは味の仕上がりに変化が出てくるのが面白いところです。
HOT SAKE Labでは銅製のちろりの使用頻度が一番高いです。

ガラス(ビーカー)

熱伝導率がとても低いガラスです。
ゆっくり温度を上げたいときに使っています。
また、味の変化も非常に小さいことも特徴です。

生酒をお燗にする時に使用することが多いです。

ちろりを効果をステーキに例えると

錫は肉をオーブンで火をじっくり入れて余計な油は落とすイメージ
銅は肉を鉄のフライパンで「ジュッ」と焼いて香ばしさもあるイメージ
ガラスは肉を低温調理器でゆっくり肉の中心まで火を入れるイメージ

ざっくり言うとこんな感じです。
もっといい例えが思いついた時は追記します。

まとめ

今回はちろりをお話しでした。
ただお酒を温めるだけじゃないんですよと言う事が伝わっていれば幸いです。

最近、ステンレスやチタンでお燗する方法を知り、まだまだ色々試していきたいと思っているところです。

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