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訪問看護のアセスメント:学び直しに最適な4冊はこれ!

こんにちは、訪看なーすです。
まだ梅雨明けしていないのに連日の猛暑……。
この時期の訪問看護は、いつにも増して体力勝負です。
皆様、熱中症にはくれぐれも注意しましょうね。

さて、以前に”訪問看護に「チャレンジする勇気がない」という方へ”という記事をアップしました。

その中でも、訪問看護未経験の方が一番不安を感じるのが、「異変・急変時の対応」ではないかな……と個人的には思っています。
記事の中では「訪問は一人だけど、相談できる体制があるから大丈夫だよ!」と伝えていますが、やはり不安なものは不安……という方もいるでしょう。
そこで今回は、「現場での判断に役立つ知識を得たい!」「アセスメント方法をいちから学び直したい!」という方に向けて、『アセスメントの学び直しに最適な4冊』を蔵書の中からピックアップしました。
すべて実際に購入して、勉強に役立ったと感じたものばかりですので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

単独訪問、思っているほど不安は少ない。だけど……

以前の記事にも書きましたが、訪問先で判断に迷う・他の看護師の意見を聞きたいという場合は、通話やチャットアプリ等を利用していつでも相談が可能です。
そのため、必要以上に不安を感じたり、「なんでも一人で判断しなければ」と気負ったりする必要はありません。
しかしながら、看護師である以上、必要最低限の知識やアセスメントスキルを身につけておきたい……と感じるのも事実。
とくに、訪問看護はブランクを経て復職される方も少なくないため、「自分の持っている知識で、果たして現場でやっていけるのか?」と不安を感じやすいようです。
病院のように、その場で一緒に確認して、あれこれ相談できる同僚や先輩もいないため、最低限のことは判断できる知識・スキルがあると安心です。

観察・アセスメント内容を言語化するスキルは重要!

そして、何よりも大事だと思うのが、「利用者の状況を、相手に伝わるように正しく言語化できるか」という点です。
観察した結果、明らかにいつもと違う(異変)と判断したとします。
では、それ(利用者の異変、根拠となるアセスメント内容)を、相手(病院・クリニックの職員、主治医)に「わかりやすく・的確に」報告できるか?
実は、これが一番重要だと思います。
「なんとなく変」という異変の察知だけなら、医療知識のない方でもできるでしょう。

訪問看護未経験であっても、ブランクがあっても、プロとして訪問している以上、「専門的な知識・視点のもとアセスメントする」ことが求められます。
さらに、その場にいない主治医や職員にも利用者の状況がなるべく正確に伝わるように、「利用者の状況を言語化する」スキルは、とても重要だと感じています。

「何かおかしい」をアセスメント・言語化できる?学び直しにおすすめの4冊

偉そうに書きましたが、私自身、約2年のブランクを経て、数年前に訪問看護ステーションに再就職しました。ブランク前の最後の職場も訪問看護でしたが、楽しさ・やりがいはあるものの、「何かあれば先輩に相談できるし……」と甘い気持ちで仕事をしていた感が否めません(偉そうに語れる立場ではない)。

そんな意識低い系だった私ですが、現在の訪問看護ステーションに再就職し、この数年間で訪問看護の楽しさとともに、厳しさや責任を感じる出来事をいくつか経験しました。
その中で、「これは、いちからしっかり勉強し直そう……!!!」と書籍を購入し、猛勉強して今に至ります。
ここからは、実際に私が購入して「役に立った!」と感じた書籍を4冊厳選してご紹介します(本当はもっとあるのですが、またの機会に)。

①フィジカルアセスメント ガイドブック 目と手と耳でここまでわかる(山内豊明・著 医学書院)

フィジカルアセスメントと言えば、山内豊明先生。
頭痛・胸痛・呼吸困難など、在宅でも遭遇しそうな症状・徴候のアセスメントから、呼吸器系・循環器系・消化器系・運動系などの身体機能別のアセスメントまで、幅広く網羅されています。
また、意外と曖昧な「異常呼吸音」の伝え方(報告の仕方)や、関節可動域の測定方法など、現場で使えるプラスワンの情報がたくさん!
基本の学び直しに最適です。

②洞察力で見抜く急変予兆 磨け!アセスメントスキル 出直し看護塾POCKET BOOK(青柳智和・著 細谷真人・監修 株式会社ラプタープロジェクト)

『異常の早期発見における看護師に必要な知識、だいたい詰まってます!』のキャッチコピー通り、急変予兆・初期対応・報告の仕方まで、これ1冊で学べます。
情報量がとにかくすごい!
知りたいことは、ほとんど載っているのでは?
と思うほど。
折に触れてこの本を開いて確認するため、私所有の本は付箋だらけです。
ポケットブックの名の通り、携帯性も抜群。
カバンに入れておけば、サッと調べ物をしたりスキマ時間に勉強したり、何かと便利です。
しかも、著者のYou Tubeチャンネルとこちらの本が連動しているため、動画で確認しながら勉強できます。全力でおすすめ!!

③内科レジデントの鉄則 第3版(聖路加国際病院内科チーフレジデント・編 医学書院)

医師向けの本なので、内容がより専門的。症例に沿って、アセスメント・診断・治療の「鉄則」がポイントでまとめられています。
内容が診断・治療寄りなので、「利用者さんが救急搬送された後、病院でどんな治療がされるのだろう?」と急変時アセスメントの「その先」をさらに学びたい方におすすめです。

④疾患別看護過程の展開 (石川ふみよ 髙谷真由美・著 学研)

もはや説明不要のロングセラー。
学生時代から愛用している!という方も多いのでは?
私も、学生・新人看護師時代からお世話になってます。まさにバイブル的存在。
現在手元にあるのは第2版ですが、最新版は第6版のようです(欲しい!)。
現場でよく出会う主要疾患の基礎知識・アセスメントの視点や根拠・看護過程の展開が、とてもわかりやすくまとめられています。
お値段が結構張りますが、長年使えて使用頻度も高いと思えば、意外とお得なのでは……。

看護師の役割は、「状態」を判断して報告すること!

ここで、1冊目に紹介した書籍から、山内豊明先生の言葉をご紹介します。

看護で行うフィジカルアセスメントの最終目的は、疾患名をつける「診断」ではありません。患者さんの「状態」を判断することです。患者さんの状態から緊急性の有無を判断し、必要なケアを正しく判断するのです。
(中略)また、緊急性が高ければ、すぐに正しい言葉で同僚や医師などに説明し、協働して対応すべきです。「疾患名は何か」で悩む必要はありません。

フィジカルアセスメントガイドブック 目と手と耳でここまでわかる 第2版
本書を読む前に フィジカルアセスメントの組み立てと階層性 xiiより(山内豊明・著 医学書院)

はじめてこの部分を読んだとき、心がフッと軽くなったのを覚えています。
同時に、「私は何か勘違いをしていたかもしれない」とも思いました。
看護師の仕事は、診断ではない。診断は、医師の仕事です。
「◯◯(疾患)かもしれない」と予測しながら、系統立てて観察することは大切ですが、看護師のゴールはそこ(診断)ではない。
医師による正確な診断につなげるため、適切な治療・ケアにつなげるために、観察・アセスメントをする。

「状態を正しく把握すること」
「必要なケアを判断すること」
「正しい言葉で報告すること」

ここを目指して、勉強しましょう。

さいごに

これは持論なのですが、
仕事で疑問やワクワクが湧いてくると、勉強が楽しくなる。
勉強が楽しくなると、仕事も楽しくなる。

このループに入ると、最強です。

今回は「訪問看護のアセスメント」というタイトルで、学び直しに最適な4冊をご紹介しましたが、いずれの書籍も、訪問看護以外の現場でも十分役立つ内容になっています。
私が推しに推している(看護師仲間におすすめしまくっている)本ばかりですが、もちろん好みもありますので、実際に書店で実物を見て検討されてはどうかな〜と思います。
お役に立てれば幸いです!

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