時をかけるおじさん プロローグ
私の父は、現在65歳。
若年性のアルツハイマー型認知症です。
なんだチミはってか?
そうでス、父が、時をかけるおじさんです。
「時をかける少女」という曲を知っていますか。
あなた私のもとから 突然消えたりしないでね
二度とは会えない場所へ ひとりで行かないと誓って
私は私は さまよい人になる
時をかける少女
愛は輝く舟
過去も未来も星座も越えるから
抱きとめて
*作詞作曲 松任谷由実、歌 原田知世 「時をかける少女」より抜粋
いや、半端じゃない名曲。幾度となく聴いて大好きな曲で、今でもたまに、突然脳内再生される。
どんなタイミングだったかは忘れたけれど、父と日常を共にしていた時に、
ふと頭の中でこの歌が流れてきた。
ああ、時、かけてるなあ、父は。と。なんか思いついたらちょっと笑えたっけ。
父はゆっくりゆっくりと、自分の生活を生きている。
2018年、平成30年。
時をかけるおじさんは今日も、ソファに座ってテレビを見ている。
過去も未来も星座も、他の人にはわからない早さで、父は行き来しているのかもしれない。父の世界の中では、毎日、誰かが突然消えたり現れたりしているのかもしれない。
それをできるだけ悲しがらずに、この大好きな歌を口ずさむくらいのテンションで語れたらいいな、という期待も込めて書こうと思います。
期待、というところがポイントです。
文・絵 / ほうこ
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