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忘月忘日、トルストイ(1, ~p.14)

■2021.7.10(土) 梅雨の晴れ間の好天

いつも気になっているがなかなか読めない(読まない)本というのはあるもので、トルストイの『戦争と平和』もそのひとつだ。
先日たまたま、坪内祐三の『文庫本千秋楽』(文藝春秋)を読んでいたら、毎年暮れの「本の雑誌」の文庫本特集号に連載していたコラムで、『戦争と平和』について語っている一文の、そのタイトルを一瞥してしまい、そうだった『戦争と平和』なんだったと思いだし、ついでにその時に『戦争と平和』をわたしも読破してみようと思ったことを思いだし、そのコラムが載った号の日付を眺めたら2006年12月6日発売だった。

坪内さんが取り上げていたのは、岩波文庫版の『戦争と平和』で、なかなか新訳の刊行が早まらない同レーベルにあっても、異様なスピードで刊行されたと驚いていた。
けっきょく、坪内さんはこの小説を最後まで読み切ることはできなかったのだが。そして昨年2020年が明けてしばらくして逝ってしまった。

わたしが手にし『戦争と平和』は光文社古典新訳文庫版で、このレーベルは奇しくも坪内さんのコラムが発表された2006年に創刊された。坪内さんがそのコラムで、4年で100冊くらい刊行されたら文庫レーベルとしての顔が立つと言っていたけれど、はたしてその通りになった。

今日は冒頭のあたりをウロウロしている。

今朝方には鹿児島県・熊本県・宮崎県あたりに線状降水帯が発生し、いくつかの河川が氾濫したようだ。4回目の緊急事態宣言が東京に発令され、西村経済再生相の「金融機関に働き掛け」発言が問題になり、早々に謝罪する羽目になった。低調五輪とささやかれる東京五輪は、もうすぐだ。『戦争と平和』を読むにはうってつけの夏ではないか。

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