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オッペンハイマーとアインシュタインの関係は悪魔と天使の関係

「こんにちわ。私は悪魔です。
いつも、お世話になっております。
といっても、私が、どのような仕事をしているのか
皆さんはご存じないと思いますので、
簡単にお話いたします。
まず、酒ですが、あれを人間に教えたのは何を隠そう
私です。一番最初に教えたのは古代エジプトの時代で
ピラミッドの建てられた時代であります。
それと、タバコ、あれも私です。
日本には、キリシタン。たしか、
室町時代の後期にかの有名なフランシスコ・ザビエル
となって種子島に参りました。教科書でご存じですね。
ザビエルさんは、種子島に着いたとき、
過労で死んでしまったのでありますが、
ちょうど私も日本に行ってみたいと
思っていた頃でありましたので
ザビエルさんに宿っている天使さんに
ちょっとお願いして、私も御一緒いたし
生き返って頂きました。ちなみに
皆さんは、天使さんと私が仲が悪いと思っておられるようですが
そんなことは、ございません。
私たちは、お互いの存在を認め合う仲であります。
お料理で言えば、砂糖と塩で、なくてはならぬ存在なのであります。
どちらを使うかは、人間が判断することでございます。
すみません、少し脱線してしまいました。話を元に戻します。
あのザビエルさんが、タバコの苗を持っていたのです。
しかし、私は阿片などの麻薬は知りませんよ。
あれは人間がタバコをヒントにして編み出したものです。
それと、賭け事、あれも、皆さんに伝授したのは私です。
ちなみに一番最初に教えた人は、中国は秦の始皇帝であります。
彼は、永遠の生命を求めて、八方手を尽くしておりましたが
努力のかいなく、始皇帝も年老いてまいりました。
あんまり可哀想でしたので、占いと言う形で彼に近い名もない学者に
私が宿り伝えました。いつ、自分が死ぬか心配して
始皇帝は彼を毎日呼んで占ってもらっておりました。
しかし、どこの世にも物まね上手がいまして、
始皇帝に取り入りたい学者どもが、次から次へと占いを真似ました。
さて、始皇帝、誰の占いが当たるのか分からない。
そこで、占いを覚えた学者を集めまして
間違えたヤツは金を払え、金がなければ死んでもらう。
そこから「賭」という文字(「貝はお金」+「者は人の命」)
が生まれたのであります。
 
このようにですねえ。
みなさんは、酒や麻薬や賭け事など、
諸悪の根元はみんな私の責任のように
思っておりますが、大変な誤解です。
酒にしても、タバコにしても、賭事にしても
適度に楽しめば、かえって有益ですよ。
ほんと。
それに最近は、切れるなんて言いまして
分けのわからないことをする方が
いらしゃいます。あれも、私はやってません。
あれは、人間がやってることです。
私は、必要悪しか伝授いたしません。
切れるなんて、私だって恐いですよ。もう・・・
 
じゃ、おまえ、今は何をしてるって?
それは内緒ですが・・・
えっへっへへ・・皆さん、ご存じでしょ?
第二次世界大戦末期、原爆の父と言われるオッペンハイマー。
そして、相対性理論のアインシュタイン、
この二人の天才にも私が宿っていたことだけは、お伝えできますが・・・」
 
あれえ、天使さんがやってきました。
天使さんは悪魔さんの腕をつかんで、
「あなた、全部自分一人でやったように言わないでくださいね」
悪魔さんは、弱った顔をして
「ごめん、かあちゃん」
と謝りました。
                 

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