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ゲームについてのクリエイティブなど

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記事一覧

誰得ドット絵メイキング『ポインター』

今回は、昨年の「ドット絵でマップを描こう」シリーズの途中で描いた『ポインター』のドット絵メイキングです。 昔めちゃくちゃ楽しんだRPGシリーズ『真・女神転生』の"地上マップで主人公の位置を示すアイコン"を念頭において描きましたが、その正体は公衆トイレの"Gentleman"マークを立体的にしたものと考えていいでしょう。 『真・女神転生』のゲーム中でも、トイレを探してモジモジ・キョロキョロしている様子で動きます。 「言うは易し」の下描きポインターは、本来なら基礎的・直線的

誰得ドット絵『毒の沼地』

以前描いた"微妙な角度"のマップに新しいパーツを足していこうと思っていたのですが、ついついサボってしまっていました。建物か、地形か。なにを作ろうかな~と悩んでいるうちに時は過ぎ去り、季節も移り。 ええい、そんなに迷うくらいならタイミングで決めてしまえ! ということで、ちょうどいいので(?)再開一発目は『毒の沼地』としました。 毒は緑色?先日、「日本では毒といえば紫だが、海外(欧米)では緑だ」という話題を見かけたんです。ゲームの毒ステータスアイコンとか、魔法エフェクトなど

ドット絵アニメ・メイキング『もちぺったん』

今日は、元旦の投稿で使用したドット絵アニメのメイキングをお届けします! ところで、あまり気にしていなかったのですが「元旦」というのは1月1日の朝のことなんだそうですね。"旦"の字の、"日"の下にある棒が地平線を示していて、「日の出」の様子を表していると。へー。 なお、このキャラクターは以前作ったSRPG用に作成したモンスターで、『もちぺったん』という名前がついています。どうやって戦うのかよくわかりませんが、名前は『もじぴったん』からのパクリです。ぴったん♪ たんた もじぴ

ドット絵モンスター『弱いスライム』(前編)

みなさん、「スライム」と聞いて何を思い出しますか? もはや日本でもっともメジャーな「スライム」はドラクエシリーズでおなじみの"青いアイツ"かと思いますが、ぼくら団塊ジュニア世代のようなおじさんたちのなかにはそれが許せない人たちがいます。 というのも、ぼくらの世代が最初に「スライム」を認識した当時はまだファミコンもない時代で、最初にその言葉を耳にしたのは、玩具として売られている"バケツに入った緑のネバネバ"だったからです。 もっとも玩具のスライムは、なにを楽しむのかもわから

古迷宮の旅、外伝。

前回・前々回と「ゲームっぽい画作り」のためにいにしえのダンジョンRPG風の背景を描いてみたわけですが、今回はそれに続くオマケ編として、偶然ときを同じくして我が家の迷宮(?)から発掘された"ブツ"を紹介します。 バーチャルボーイ版ウィザードリィ外伝!?今回、押入れという名の我が家の古迷宮で発見されたのは、約30年前の書類。ぼくがアスキーという出版社のゲーム事業部に在籍していたときに企画会議に出された『ウィザードリィ外伝VB』の企画書です(なお、ぼく自身はこの企画に携わってはい

ドット絵で行く古迷宮への旅!?(後編)

前回から1週間たってしまいましたが、「ゲームっぽい画作り」のためにダンジョン背景を描く回の後編です。 間が空いたのは豪華な仕込みをしていて……というわけではなく、珍しく風邪をひいて寝込んでいました。なにもかも容赦なく放り投げて寝ていたら、すぐ治りましたけどね。ただ…… 正直に言うとこの企画は絵的にとても地味なので"消化回"のつもりでいたのですが、寝込んでいる最中、前編がnote公式マガジンに選ばれるという不意打ちを受けてしまいました。なので、想定外のプレッシャーがかかって

ドット絵で行く古迷宮への旅!?(前編)

今回はドット絵で作品をつくるというよりも、ドット絵という技術の"活用方法"のひとつとして『古迷宮』を描いていきます。古迷宮といっても、紀元前に建設されたナントカ文明の……を絵にするのではなく、往年の3DダンジョンPRG"Wizardry"のような、ワイヤーフレーム・ダンジョンです。 ま、絵的におもしろいものではないんですけどね。これまでいくつか描いてきたモンスターのドット絵に背景を追加して「ゲームっぽい画作り」をしたいという動機があるため、やっていきたいと思います。 なお

宮本茂の無駄遣い

みなさんご存じかどうかわかりませんが宮本茂さんという方がいて……「知ってるわ!」ってツッコミが方々から聞こえてくるような気がしますが、もちろんその宮本茂さんはマリオシリーズの生みの親で、任天堂のなんとかフェローって地位のわかりにくい名前の偉い人の、あの宮本茂さんです。 タイトル絵をマリオにしながらなに言っとんじゃ~って話なんですけど。スーパーファミコン版のスーパーマリオ、1と3で配色が違うことに今ごろ気付きました。 ところで今回の記事は「宮本さんのゲームすばらしい!」など

「誰でも簡単にゲームを作れる」は幸福なことなのか? SNSとしてのマリオメーカー

8月に自由研究でミニマムSNSを作った際、その研究対象として久しぶりにマリオメーカーを触りました。以前……ずいぶん以前に「苦手チャレンジ」したあとにいくつかコースを作りはしたのですが、いまいちピンと来なくてそのままになっていました。 とはいえ今回は"SNS感"の手触りを確認したかっただけなので、その「いまいちピンと来ない」コースをなんのためらいもなく投稿! ちなみに『スーパーマリオメーカー2』は発売から4年以上経過していますがまだまだ数多くのコースが投稿されていて、今でも

誰得ドット絵童話『木箱』

今日はドット絵で、木箱を描いてみました。曲線がないので簡単に描けて、ドット絵初心者にもやさしい! 超オススメです。 この木箱、もはやRPGの主役なんじゃないか、いやFPSなどのアクションゲームでも良くあるし「ゲームの主役」と呼んでも過言ではないのではないか、ところでXboxがいまいちパッとしないのはこの木箱のデザインにしないからだ! と物議をかもしたり……はしませんが、愛着を感じている人は少なくないのではないでしょうか。 ゲームを作る人にとっては、これと宝箱を早いうちに用

誰得ドット絵落語『みみっく』

画版を持って佇む若い男。時折、きょろきょろと周囲を見渡す。そう間もなく女将が姿を現すと、男は会釈をして歩み寄った。 女将「なんだい、どこかで見た顔だね?」 男「へえ、お初にお目にかかります。二条の、十六兵衛(じろべえ)と申します」 女将「二条のって、分家のせがれかい」 十六兵衛「へえ。父がお世話になりまして」 女将「どこかで見た顔とは思ったけどね。十六兵衛だって? そっくりなのがもう十六人もいるのかい」 十六兵衛「いえ、兄は四人、下に弟はひとりです」 女将「なん

宝箱をつくるよ② 箱の中の希望

ドット絵『宝箱』作成の第2回、前回は「閉じた宝箱」を描きましたので、今回はそれを開きます! 開いた宝箱を描くとき、最初に悩むのはフタの角度をどれくらいにするかです。フタは曲線・曲面もあるので、開く角度によってはかなり描きにくくなります。 下の画像のように90度で開くことにすれば、わりと簡単に描けるのですが……。 リアルに考えると、この角度では不意にフタが手前に倒れてきて「おでこガーン」とか「手の甲ギャース」とかになりかねません。特に手の甲は勘弁して! いやな想像をしてし

#苦手チャレンジ『人物ドット絵』(前編)

ぼちぼちドット絵を描きはするものの、なんとなく苦手で避けていたモチーフがあります。それは『人物』。人物キャラは苦手で、ほとんど描きません。 でも今年の抱負は「苦手なことに挑戦する」なので逃げられません。がんばって描きます。えい。 グゥォオー照れルーー。 というわけで苦手な理由は「照れ」です。 クリエイター・表現者の常?として「自分の作品をひとに見せるのに勇気がいる」ということは少なくないと思います。 ぼくの場合もそれはそれであるのですが、特に"人"を描いたものを見せ

ドラクエ留学、ひとつき。(物語編)

いくつか記事を書きながら「硬直している現実の日本社会より、実際に人が多く集まるメタバース、MMORPGの世界は現実以上に『新しい現実』を作り出している」と感じた私は、それなら別世界もこの目で見てみようと旅に出た――な~んていうと大袈裟ですが、新参者として『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)への「留学」を始めて1ヵ月が経過しました。 今回はその経過報告その1「物語編」です。 なお、留学生であるぼくは、ドラクエに対してあまり熱心なプレイヤーではありません。ドラクエシリーズに