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悪逆読書会1 ゲームと読書


悪逆読書会という配信を始めたと前回記しました。そのおさらいと補足がてら、配信では深め切れなかった部分をここで突き詰めてみたいと思います。

配信で私がゲームにまつわるものとして紹介した本は以下の三冊です。

一つ目は宮内悠介さんの処女作品集ですね。大枠は動画で説明していますが、なにより完成度がすごいです。文章の無駄のなさと切れ味。さらには重厚さも兼ね備えており天才的。またロジカルな能力の高さは、文章のみならずモチーフとなっているゲームへの理解の深さも感じさせてくれます。遊戯であるゲームにとりつかれるということがどんなことか。そのすべてがゲームによって引き出される人の魔性についての物語であり、またゲームそのもののが持つ呪いじみた力への礼賛となっています。

ふたつの目の『シャムタンティの丘を越えて』は、書籍という形態の持ち得るひとつの極点ではないでしょうか。辞書など以外はほぼすべての書物は線的に読み進めていくものですが、ゲームブックは行きつ戻りつしながら、ジグザグに進んでいくのです。分岐やループなどもそこにあり、通常とはまるで違った読書体験を約束してくれます。またボードゲームとともに改めて盛り上がって欲しいメディアです。

さいごはゼビウスなど名作を手掛けたデザイナーのゲーム作りの本です。網羅的にゲームのタームや概念が詰め込まれており、これ一冊を読み込むことでかなりゲーム(とりわけデジタル)についての意識が獲得できるでしょう。授業などでも参考にさせて貰っております。

さて、ゲームと読書にまつわる回だったのですが、メンバーたちとのフリーな雑談なので読書から離れてゲーム全般のトークへと脱線してしまいました。このあたりはちょいと反省点ですね。

遊びとゲームの違いと重なるポイントをじっくり考えるには相応しい時間となりました。ゲームは人間の進化と文化形成に深くかかわる重要なものだと僕は思っています。ここから平等や公平という概念が生まれたような気すらします。ゲームという平等に制限をかけられたある種不自然極まりない環境の中でこそフェアネスという概念が芽生える契機が生まれたのではないかなんて考えてます。


リロード下さった弾丸は明日へ向かって撃ちます。ぱすぱすっ