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人生が生きやすくなる「箱」という考え方。

STAGEではメンバーが成長していく過程の1on1において、頻繁に「箱」という言葉が出てきます。
これは個人の状況を表した比喩表現なのですが、これを知っておくと人生が生きやすくなるのではないかなと思ったので、今日は私がこの「箱」というものについて考えている内容を書きたいと思います。


「箱」の元ネタ


「箱」の考え方には元ネタとなる本が存在します。
この本です。

amazonリンクより

私はこの「箱」の考え方を自分の言葉で伝えることが難しいと感じたので、STAGEのメンバーでこの考えを知った方が良いと感じた人には、この本を紹介して読んでもらっています。

読んでない方にはぜひとも読んでいただきたいのですが、読んでもらうためにPRするとすれば、Apple、Google、MicroSoftが研修で取り入れている内容が書かれている本です。

この本で出てくるキーワードは「自己欺瞞」です。

STAGEで出てくる「箱」の考え方は概ねこの元ネタの本に則っていますが、わかりやすくかつ実践的にするために私独自の解釈が一部加わっています。

私独自の解釈の元になっているものは2つあり、それについても説明します。

1つ目は、私が以前に仕事でご一緒させていただいた方がおっしゃっていた考え方です。自分の内面を理解するためのノウハウを伝えていらっしゃる方なのですが、この方がお話されているキーワードは「自己受容」です。

2つ目はキャリコンで勉強するもので、アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャーズさんが唱えた理論です。
ロジャーズさんの理論の中でも箱に関連したキーワードというのは「自己一致(純粋性)」です。

先にお伝えしますが、「自己欺瞞」「自己受容」「自己一致」この3つはかなり密接に関連していると私は思っています。


「箱」に入っているとどうなる?


「箱」の概念を説明するのはなかなか難しいので、「箱」に入っているとどうなるかということから説明します。
「箱」の本には、『「箱」とは自己欺瞞の世界のことである』と書かれており、『自己欺瞞が重なるとどんどん視野が狭くなっていく=「箱」に閉じこもっていく』と表現されています。

「箱」に入っているとどのようになってしまうかというと、

  • 「自分は誰よりも努力している」と思って、他の人の頑張りを受け入れられず周囲に攻撃的になる。

  • 「自分はいつも周りの人の無能さに我慢するばかりだ」と思って、周りに教えてあげることができない。

  • 「自分は仕事でこんなに辛いのだから、家事は配偶者に任せるのが当然だ」と思って、家で家族に冷たく当たる。
    といったことです。

なんとなく誰しも、ほんの少しは、同じような状況に陥ったことがあるのではないでしょうか?
特にベンチャーで生きていると、度々自分もそういうふうに陥っていたなと思うし、周りにもそういう人がいたような気もします。
(ありがたいことにこれまでの師匠は見捨てないでくれましたが、年齢を重ねて箱に入ったままだと誰からもフィードバックをもらえなくなりそうでこわいなと思いました)

私の独自解釈的には、真面目だったり完璧主義だったりする人ほど、うまくできない自分を責めてしまって箱に入りやすくなってしまうのかな〜と思っています。


「箱」から出る方法


私と一緒に仕事をする中で、「箱」に入っていたメンバーが「箱」から出ていますが、不思議なことに箱から出た瞬間を本人たちは自覚していません。

「箱」の特徴は、入ってる時に自覚することはできるけど、出た瞬間や出たことについては、周りは気づくけどわりと本人は気づかないんですね!
あとから「あれ出たかも?」と気づくような感じです。(つまり「箱」を意識しなくなったらもう出ている証拠)

私と1on1をしてアクションプランを考えて実行することで「箱」から出たので、ある程度誰でもこの方法で出られるのかも?と思いました。
誰かの助けになればと思うので、書いておきたいと思います。

①「箱」に入っていることを自覚する

まず最初は、自覚するところからです。
「箱」に入っている本人は、大抵最初は箱に入っていることに気づいていませんが、なんとなく仕事上のコミュニケーションがうまくいかなかったり、成果が出なかったりして苦しい思いをしていることが多いんですね。
成果が出ない原因は「箱」に入っているからなのですが、それを自覚していないので解決方法も見出だせずにいることが多いです。

私に相談してくれる場合は、「箱の本を読んでください」と言って自覚させるという荒治療になってしまうことが多いのですが(笑)、それに加えて自覚してもらう手段としてやることは、

  • 成果が出てない理由を一緒に考える

  • それは外部環境ではなく自分自身の問題であると認識してもらう
    ということです。

例えばSTAGEのメンバーの場合だと「相手にずばっと思っていることを言えない(聞けない)」というのが成果が出にくかった理由の一つでした。

②原因(発生源)を突き止める(自分の言葉で言語化する)

次に成果が出ない理由が発生してしまう原因を突き止めます。
これに関しても色々あるのですが、例えば先ほどの「相手にずばっと思っていることを言えない(聞けない)」というケースで言うと、過去に過度に上司に指摘されたり、そもそも自分自身がずばっと言われるのが嫌だったり、わりと過去の体験に紐づいていることが多いです。
これは時間をかけて深堀りしていって、一緒に探していく感じでやっていたかなと思います。

「どうしてそう思ったの?」「それってどういうこと?」等、結構抽象的な質問を多く投げかけるので、言語化が苦手な人はこの部分がだいぶしんどいかもしれません。

こればっかりは、本人の実体験に基づく部分で、私にはわからないので自分でたどり着かないといけないのですが、私自身もそれを知りたいと思っているので、じっくり向き合うことにしていました。

この部分まで読むとわかると思いますが、「箱」は元々自分を守るために築かれたものなんじゃないかと私は思うんですね。
傷ついた自分、情けない自分、許せない自分等、ネガティブな自分が多すぎて潰れないように、自分を守るための壁として作ったものだと思うんですよ。

自分を守るために作った壁をまた自分で壊しにいこうとするのはなかなか難しいことですよね。

③発生しないような取り組みを考え実践する

仕上げとして、自己欺瞞や自分を責めてしまうようなことが発生しないような取り組みを実践していくのですが、これがまあ〜〜難しいですね〜〜〜(笑)
基本的には過去に嫌な思いをしたことが原因になることが多いので、「それは全然嫌なことではないよ(=自分自身を傷つけることではないよ)」と捉え直してもらうということが多いと思うのですが、ここにはいくつかステップがあると思っています。

あまりに箱の壁が厚い(=かなり自分の殻の奥深くに本音が眠ってしまっている)場合は、まず自分の感情を自覚することから始めてもらいます。
方法としては自分の感情をノートに書きまくるというものです(地道)
特に自分の中のネガティブな感情が出てきた場合には出てきた瞬間に書いてもらいます。
「今◎◎にイライラした」とか、もうそのまんま書きます。
そうすると書いただけでそのネガティブ感情が緩和されて、かつ、自分がどういうことに、どんなふうに感じるかを自覚することができます。
(ちなみになぜ緩和されるかというと、文字で書くと言語的に感情が整理され、自分の状況を客観的に受け入れられるからです)

私も以前(3-4年前くらい)、これをやっていて、捨ててもいいメモ帳に自分の感情を書き続けて、退勤のときにシュレッダーにかけて帰るというのをやっていました。
これを「モヤモヤの供養」と呼んでいました(笑)
これによってだいぶ精神が安定するようになったと思います。

自分の感情を自覚できるようになったら、今度はネガティブな感情が出てきにくくするための取り組みを考えます。
例えば実際に取り組みとしてやった事例でいうと、とあるメンバーとの1on1の名前は「雑談」というふうにしています。
1on1というのはそもそもメンバーのための時間なのですが、上司と何か話さないといけないとプレッシャーに感じていたメンバーがいたんですね。それでプレッシャーを感じすぎないようにするために実践した取り組みの一つでした。
とても些細なことではありますが、最終的には些細なことが積み重なって壁を作るので、こういう部分がむしろとても重要だと思っています。

注意点としてはネガティブな感情がすべて悪ではないと思っているという点です。悪なのは箱に入ってしまうトリガーを引いてしまうことだと思っています。
(ネガティブな感情でも成長痛のようなストレスとかは必要だと思うため)
トリガーを引かない取り組みをするように意識しています。


「箱」から出るとどうなる?


それで箱から出るとどうなるかというと、シンプルにめっちゃ成果が出るようになります(笑)
周りと協力できるし、自分のことをさらけ出せるようになるから当たり前ですね。
そして壁がなくなると周りの優しさを受け取りやすくなって、周囲の言葉を穿った形で受け取らなくなるので、生きやすくなります。

ちなみに私達が転職支援をする中で、選考を受けながら「箱」から出て内定を獲得し次のステージに進んだ方がいることに気づきました。
弱い自分を受け入れて未来への決意を固めて前に進んだり、うまくやれない自分を許せなかったけど周りの声を聞いて徐々に自分を許せるようになったり、「箱」から出ることができて次に進む覚悟ができたというケースがあったんですね。

「自己欺瞞」の状態から「自己受容」し、最終的に「自己一致」すること。

これが「箱」から出るということだと私は思っていて、これを選考途中で実践できるととても良い転職活動だったな〜(とても良い転職支援ができたな〜)と思います。

長くなったのと抽象的でわかりにくい部分も多々あったと思いますが、今後ひょんなことで「箱」に入ったときの処方箋としてここに書いておきますね✍




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