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短歌 くるしみという聖典 15首

耳障りな歌だ幼稚だ身勝手だまるであたしの叫びのようだ

気がかりな夢から覚めてまだ蜘蛛がいるんじゃないかと壁を見る朝

中二病のままのじじいの一生は愉快とやんちゃなハットがかたる

豚汁は旨みと濁りの超融合 喰らい飲み干す超木曜日

自然食カフェのトイレの張り紙の筆跡を目でなぞる一分

研修医の友と抗うつ剤を飲むおれの将棋は一手損角換わり

出しゃばった名も名乗れない婆さんに重症と告げられる幻日

まなざしが束縛してる眼球のおくに鎖がぎらりと光る

くるしみという聖典に偽りの解釈なんて誰が欲しがる?

ラーメン屋のテレビがうつす世の栄華 下に「チャーシューメン 800」

「えっ君は、眼鏡をかけているひとがみんな同じに見えるというのか!」

憎むのが得意でつくるのが苦手そんなあたしをどうすればいい

「明るくて元気な人を募集中」差別でないか後世に問いたい

あの野郎をぶち殺すはずの歌なのにどうして君の傷から薔薇が

ハトさんは「頭を重くしすぎたら飛べなくなる」といい、去りました。

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